マイナビ創業50周年を記念し、進学・転職・結婚・セカンドキャリアなど、人生のターニングポイントを迎えるヒロインたちの“青春”。また彼女たちを取り巻く家族の物語を描いたオリジナルWEB映画『ミライヘキミト。』が8月16日(金)から公開に。今回、監督・脚本を務めたウエダアツシ氏とヒロイン役の川島鈴遥さんに作品の見どころをはじめ、自身の職業に関する思いなど、お話を伺いました。夢中になる何かを見つけて、それに手を抜かず全力で取り組むことができる“幸せ”を教えてくれた気がします。

ウエダアツシ(以降、ウエダ):川島さんの過去の出演作品を観て、いつかご一緒したいと以前から思っていたんです。川島さんのお芝居がすごく好きで、僕の方からお声を掛けさせていただきました。

川島鈴遥(以降、川島):少し照れくさいですね(笑)。私もウエダ監督の『うみべの女の子』を観て、すごく素敵な作品だなと思っていました。今回の作品は制作プロダクションでスタイルジャムさんが参加されているのですが、私が以前に出演した『ぜんぶ、ボクのせい』も同じスタイルジャムさんなんです。そういったことからも、今回の作品には何かしらのご縁を感じました。人と人の繋がりを大切にしたいなと改めて感じさせてくれました。

川島:現場ですごく穏やかにいらっしゃった印象です。周りのスタッフさんとか、みんなが慌てながら「どうする?」「どうしよう?」と話をしている時に、ウエダ監督が落ち着いた感じで「じゃあ、こうすればいいんじゃない」と一言放つだけで現場が自然にまとまるようなこともありました。監督からは、そういう落ち着きみたいなものをすごく感じていました。また、内にある「こういう絵を見たい」「こういう絵を撮りたい」といったものがしっかりあることは、一緒に撮影していく中で感じ取っていました。なので、そこをいかに自分なりに汲み取って自分の芝居と結びつけ、作品へと昇華できるかを常に考えて演じさせていただきました。

ウエダ:今回の作品で言うと、東京から少し離れた田舎生活で、家族みんなで住み、採れた食材をみんなで料理しています。そういう時間を持てる家族のカタチが観てくださった方にとって少しだけ羨ましく感じる、そんな理想を見せたい気持ちがありました。ひとりも悪い人が出てこない作品ですが、そういう映画があっても良いのではないかとの思いがありました。みんなが優しくて、みんなが人を気にかけて、お互いを支えて合っている、そういうホームドラマの要素がある作品を撮りたい気持ちはありました。やるなら徹底的にそういう作品づくりをやってみて、観ている人もハッピーにさせたい、そういった気持ちが今回の作品の根底にはあります。

川島:ありがとうございます(笑)

川島:野球をすること自体、初めてだったのでかなり練習しました。はじめはバットを構えるフォームから習って、そこからボールを投げたり、バッティングセンターに行ったり。劇中でも自分で本当に打っているので、そこもみなさんに観てほしいポイントです。ノックをするシーンがあるのですが、テストでは1回も当たらなくて、もし本番でも当たらなかったら、私の後ろからスタッフさんがボールを投げるからノックできなくても安心してと言われていたんです。絵は撮れると思うのですが、やっぱり悔しいなと思いながら、本番に臨みました。そうしたら、バットにボールがきちんと当たって、実際に私がノックした映像を使うことができたんです(笑)。イチから練習して、ここまで上手くできたのは、本当に嬉しかったですね。

川島:はい、ぜひ第一話では、そこにも注目してほしいです(笑)

川島:小学3年生からこの仕事をしているのですが、当時はずっと辞めたいと思ってばかりいたんです。人前で泣いたり笑ったり、演技をすることの何が楽しいのかが分からなくて、中学生になったら絶対に辞めようと考えていました。そんな時に母から「一つのことを成し遂げることは大事なことなんだよ」と言われたんです。「あたなはこの芸能活動で、これだけは絶対に頑張ったと胸を張って言えるものがあるの?」と聞かれたとき、私にはまだ無かったんです。その時に、だったら代表作だと言えるようなものを作ろうと決めて、これだけは100%でがんばったと言えるものを求め続けていた結果が今に繋がっているんです。今考えると、あの時に母に言われた言葉は大きかったなと思います。

川島:そうかもしれません(笑)。家族なので、やっぱり私の性格も分かって言ってくれたのかも知れないですね。

ウエダ:35歳のまだ雑誌・WEB編集者をしていた時代に一念発起して、自主映画を友人何人で撮ったことが一番の分岐点だったと思います。関西で雑誌の編集をしていた頃、映画ページの担当をしているだけで十分だと思っていたんだけど、ある時、東京異動の辞令が出て、東京で働きだして、さらに近くで映画に関わる仕事をやっていくうちに、やっぱり自分で映画を撮りたいと思い、撮ったのが35歳だったんです。その作品がゆうばり国際ファンタスティック映画祭で賞をいただき、ありがたいことに公開してくれる映画館も出てきて、結果的に監督デビューを果たすことになったんです。その時は映画スタッフが6人だけで、出演する女の子が常に10人いる状況だったこともあり、今までの現場史上、一番しんどい現場でした(笑)。でも、その時のカメラマンが『ミライヘキミト。』のカメラマンの松井くんですし、その時に1日だけ手伝ってくれたスタッフが今作で照明技師をやってくれている引地くんなんです。音響効果の田中くんもその当時から手伝ってくれているメンバーだったりと、あの時一歩踏み出したことで、そのメンバーと今もこうして一緒に映画を作れていることが、すごく嬉しいですね。

川島:今は自分のお芝居を全面に出すことよりも、作品の中に自分を溶け込ませて、一員として存在できるような役者になれたらと思っています。チームのみなさんと一緒に作っているという“志”をもって、楽しく“青春”のようなお芝居の現場をずっと続けていきたいです。今回、本当に現場が楽しかったので、こういう現場がずっとずっといろいろなところで続けば良いなと思いますし、自分でそれを引き寄せられるようになりたいと思います。

ウエダ:基本的には楽しく映画を撮る仕事ができたら、それで十分に幸せではあります。撮影の規模が大きい、小さいにかかわらずに。もちろん、映画を作る過程で大変なこともありますが、それを楽しめるうちは映画づくりを続けていきたいなと。楽しめなきゃやっている意味も無くなっちゃうので、そこにはこだわってこれからも映画を撮り続けたいと思います。


オリジナルWEB映画

『ミライヘキミト。』

8月16日(金)より全4話公式YouTubeチャンネルにて配信開始

海辺の小さな町に住む渡利家に、今日も朝がやってきた。ダイニングでは、母・羽菜(西田尚美)、長女・咲季(平祐奈)、次女・由宇(川島鈴遥)、祖母・海(浅田美代子)が手分けして朝ご飯の準備をしている。新鮮な魚や野菜をふんだんに使ったおいしそうなメニューが出来上がった頃、いいにおいをかぎつけ、ようやく父・俊夫(斉藤陽一郎)が起きてくる。「朝食は王様のように、夕食は貧民のように」がモットーである渡利家では、豪華な朝ご飯で毎朝エナジーを充電している。そんな仲の良い一家だが、実は家族に言えない“秘密”を抱えている者も何人かいるよう。人生の岐路で悩みつつ新たな一歩を踏み出す人、その背中を押す人など、渡利家の何気ないけど豊かな日常が描かれていく。

<出演>
川島鈴遥 平祐奈
西田尚美 斉藤陽一郎
福山翔大 福松凜 カトウシンスケ
浅田美代子
<脚本・監督>
ウエダアツシ
<エンディング・テーマ>
スピッツ「青い車」(Polydor Records)
<原案>矢島弘一 <プロデューサー>甲斐真樹 <音楽プロデューサー>田井モトヨシ <アソシエイトプロデューサー>東島真一郎 白川直人 <撮影>松井宏樹 <照明>引地悟 <録音>中村涼 <音響効果>田中俊 <美術>禪洲幸久 <装飾>中山美奈 <衣裳>篠塚奈美 <ヘアメイク>井川成子 <助監督>中薗大雅 <制作担当>高明 <フードコーディネーター>はらゆうこ <宣伝プロデューサー>伊藤敦子 <宣伝>ミラクルヴォイス <制作プロダクション>スタイルジャム <企画>マイナビ
©2024マイナビ

公式サイト:miraiekimito.com
公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@miraiekimito
公式X:https://x.com/miraiekimito
公式Instagram:https://www.instagram.com/miraiekimito/


プロフィール:川島鈴遥

川島鈴遥(かわしま・りりか)。2002年生まれ。栃木県出身。2010年、テレビドラマ『特上カバチ!!』でデビュー。以降大河ドラマ『八重の桜』などに出演し、幼い頃から女優として活躍。2019 年に公開された、オダギリジョー初監督長編映画 『ある船頭の話』でヒロインを演じ、第 34 回高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞。2022年公開映画『ぜんぶ、ボクのせい』(松本優作監督)ではヒロインを務め鮮烈な印象を残す。近年では NHK ドラマ『仮想儀礼』、舞台『神話、夜の果ての』に出演するなどドラマ・映画問わず活躍中。
公式インスタグラム @ririka.kawashima__official
公式サイト https://www.lespros.co.jp/artists/ririka-kawashima/


プロフィール:ウエダアツシ

ウエダアツシ。1977年生まれ。奈良県出身。近畿大学在映画部を経て、出版社に入社。会社時代に制作した映画『リュウグウノツカイ』が「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」オフシアター・コンペティション部門にて北海道知事賞を受賞する。2015年、続く『桜ノ雨』が第28回東京国際映画祭」パノラマ部門にて上映。2017年、映画『天使のいる図書館』が文部科学省選定作品として上映になる。浅野いにお原作作品を手掛けた2021年8月公開の映画『うみべの女の子』は、大きな話題を集め代表作として周知される。2024年8月16日、マイナビ創業50周年を記念したオリジナルWEB映画『ミライヘキミト。』が公式YouTubeチャンネルにて配信される。
公式X @uedaatsush

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