
小泉今日子&中井貴一によるW主演で話題の“大人の青春ドラマ”「続・続・最後から二番目の恋」。2012年、2014年の放送を経て、11年ぶりにシリーズ3作目となった本作。中井貴一演じる「長倉和平」の娘役として、小学生当時から出演していた白本彩奈。そんな彼女が大人に成長した「えりな」を演じ、多くのメディアでも話題に。役者生活に大きな影響を与え続けている本作への想いや、今作を経て得た新たな気づきについて話を聞かせてもらいました。またプライベートは “生粋のアウトドア派”と豪語する、その意外な休日の楽しみ方ついてもインタビューしています。ぜひ、ドラマと白本彩奈に注目を!
photo&text:kukka編集部
11年振りとなるドラマ「続・続・最後から二番目の恋」について、最初に続編があると聞いた時の率直な感想を聞かせてください。
実は、以前から「続編があるのかもしれない」といった噂を耳にすることが何度かありました。なので「びっくり」な感覚よりは「ついに!」といった気持ちでした。もちろん嬉しかったですし、同時に緊張してソワソワしたのを憶えています(笑)。でも、いざ続編を撮ると正式に決まってからは、何もかもが急に動き出した印象です。
前回はまだ子供だった白本さんが11年の時を経て、大人としてみなさんと共演されることになりましたね。
11年ぶり……。みなさんの11年と私の過ごした11年は少し違うものだと思うんです。11年前もみなさんは大人でしたが、私はその11年間で小学校を卒業し、中学校、高校までも卒業して大人になり、環境も大きく変化しました。これまで何度もお会いしている方々であっても、”改めてお会いする” ような気持ちはものすごくありました。小学生だった時の自分が持っていた感覚とは、もちろん違いましたし、お会いするまではとても緊張していたんです。でも実際にお会いすると、11年前と何も変わらない長倉家とその空気感がそこ(撮影現場)にはありました。以前と変わらず、小学生の自分を思い出すかのように、みなさんと楽しく過ごすことができました。
ドラマを観ていても、撮影現場の雰囲気の良さ、楽しい空気感が溢れている気がします。
カメラが回っていないところでも、とても楽しい現場なんです(笑)


成長した白本さんと会って、みなさんにどのような反応でしたか。
「(身長が)大きくなったね」が一番多いです(笑)。当時すでに160センチはあったのですが、今はそこから10センチほど伸びているんです。なので、「デカっ!」とか「めっちゃ大きくなっている〜」と驚かれました(笑)。目線も以前は同じ高さか見上げていたのに、今ではみなさんが私を見上げているんです。
子役ではなくひとりの役者として臨むにあたり、意識されたことはありましたか。
子役から大人になっても同じ役を演じられることは、とても幸せなことだと思います。ただ、以前は子役だったこともあり、あまり自分のこだわりがなく、ありのままの役を演じていたと思います。でも、今回は演じる役柄についてより深く考え、自分の中でのこだわりを持って現場に立たないといけなかった自覚があります。一番の変化は、明確なこだわりを持ち、役のことをより深く考え、それら準備をして撮影に臨んだところです。
監督とは何か話をされたのでしょうか。
反抗期や思春期を前作では描いていましたが、それらを乗り越えて大人になった「えりな」が家族とどう向き合っていくのか、どうか変わっていくのか。「えりな」の変化がもっとも映るシーンこそ大切にしようと話をしました。反抗期でもなく、周囲に愛嬌を振り撒く、ある意味でサービス精神旺盛な娘ではない、そのバランスについては監督と常に話し合いながら演じました。

家族や近しい人たちとの人間模様、また共感できる心理描写が見どころなドラマです。ご自身の家族に充てはめるなど、改めて家族や人との付き合い方を考えることはあったのでしょうか。
実際の家族への気持ちに助けられたところはあります。「えりな」自身、幾つもの困難を乗り越えてきた女性でもあります。その彼女の気持ちに対して、理解できない感情は少なく、自分にあてはめて考え、演じられたと思います。
これまで白本さんが経験した多くの感情が「えりな」役にも生きているようですね。
以前は大人のみなさんが何を話されているのか、真意が分からず、今思えばタイミングでセリフを言うだけのことも多くあったのかもしれません。台本にある漢字にルビを振ってもらうような子供だったので。ただ、今回は言葉一つひとつを噛み砕き、セリフの持つ意味をしっかり理解して演じることができました。ある意味、やっとこの物語に参加することができたような感覚を持っています。ひとりの役者として、物語の一員になれた実感がありました。
「えりな」も大人になり、人格のある一人の女性として描かれていますね。
私自身も大人になったことで、みなさんと多くの話をし、より深く関わることができたと実感しています。このシーンはどうだったか、どうやったらもっとうまくいくかなど、話し合いながら作品をつくることができました。それがドラマや「えりな」のカラーとしても表れていると思います。
共演される方は一線で活躍されている方々ばかりです。役者として吸収できたものはありましたか。
みなさんの現場での立ち振る舞い方はどういったものなのか、役者としていろいろなものを目に焼き付けたいと思い、今回の撮影に挑みました。カメラの前や後ろでどのように過ごされているか、何を気にされているか、どこにこだわりを持ってらっしゃるのか。でも結論から言えば、役者さんそれぞれがまったく違っていたんです。細かなところまで考えている方もいらっしゃいましたし、なんとかなるさといった空気感の方もいらっしゃいました。結局、多くを経験し磨かれた個性が集まって、こうした爆発的なエネルギーを持つことを学ぶことができました。なので、より自分の個性や美学のようなものを磨き上げて、極めていきたい目標ができました。
みなさんから自分にも生かせるものを見つけ、それをうまく取り入れることで、自分の最大化ができると良いですよね。
理想ですね。でも、本当にみなさんそれぞれが個性的なんです(笑)。目にしたその良さを少しずつ摘ませていただくことのはとても贅沢なことです。より自分のオリジナリティだとか、個性を大切にしていくことが大事だとひとつの指針として持つことができました。本当にみなさんのお陰です。


共演者の中でも関係性の高い中井貴一さんは、どのような存在でしょうか。
大き過ぎる存在と言いますか、常に私の支柱となっている方です。何か道に迷うようなことがあれば、お話をさせていただくこともあります。何かを選択する時や何かを止める時、また何か止めることを止める時など、アドバイスをいただくことがあります。本当に私の「支柱」となっていただいています。今回の作品でも、一番多くのお話をさせていただきました。「このシーン、こうしたいけれど、どうしたら良いですか」とか「今のお芝居、どうでしたか」と無邪気にご意見を伺うこともありました(笑)。本当の父のようでありがたい存在です。
中井さんも本当の娘がお芝居について尋ねてくるかのようで、嬉しいでしょうね(笑)
撮影が始まったばかりで慣れない時や、シーンの感想を伺う時など、いつもすぐ隣には中井さんが居てくださったので感謝しかありません。
「えりな」役で、ぜひ注目してほしいポイントを教えてください。
これまでの作品とは違い「えりな」から見た景色がしっかりと描かれています。長倉家を舞台にした家族それぞれの心情が描かれているドラマですが、そのひとつに「えりな」も加わっています。「えりな」はどう思っているのか、「えりな」はこの状況をどう見ているのか。彼女の人生もドラマの中にしっかり刻まれているので、そこに注目してほしいです。
また何年かして、さらに続編ができることを期待してしまいます。
前作が終わってから「またこの作品に出るため役者としてがんばる!」、気づいたらそれを当たり前に思い、これまで目標にしてお芝居を続けて来ました。今回のドラマに参加でき、そして撮影が終わった時、次に何を目標としてやって行けば良いのだろう。そう考えた時に、やはりこの作品を役者として、まだ目標にして心に持っておきたいと思いました。あと、前作の監督には、いつか「えりな」が主人公なスピンオフドラマのようなものを撮ってみたい、と仰っていただいたんです。次はそれも目標に役者を続けようと思います!
もしも「続・続・続・最後から二番目の恋」のような次作があるとしたら、本作のファンの方も大喜びでしょうね。
私も嬉しいですし、それを目標に走っていこうと思います。


プライベートについてもお話させてください。白本さんらしい、休日の過ごし方を教えてください。
生粋のアウトドア派の人間なので(笑)、一日中どこかに出かけていることが多いです。丸一日空いていたら、必ず都外に出てしまいます。ドライブに出かけ、美味しいものを食べて帰ってくることが多いです。行きたい場所がたくさんあります。
行きたい場所リストがあるのでしょうか。
あります(笑)。今は「もちガツオ」がすごく気になっていて、ぜひ食べに行きたいと思っています。「もちガツオ」はその基準が厳しく決まっているので、なかなか獲れないため食べることも貴重なんです。食べると本当にお餅みたいにモチモチな鰹みたいです! みなさんも食べてもらいたいのですが、人気になって混むのも困るので、行ってほしくない気持ちです(笑)。なので、場所は内緒にしておきます。
海鮮系の食べ物が好きなんですね。
はい、好きです。あとお酒も好きです。海鮮ともよく合います(笑)
白本さんのインスタグラムを拝見していて、使われている音楽が個性的で気になります(笑)。普段はどういった音楽を聴かれていますか。
サザンオールスターズさんやMr.Childrenさんなどの邦楽や、唾奇さんといったヒップホップ系も聴くのですが、だいたい洋楽を聴いていることが多いです。特に好きなのが、ポスト・マローンです。あと邦楽では宇多田ヒカルさんをよく聴きます。特に「COLORS」が好きです。小さい頃に母が携帯の着メロに使っていたのが「COLORS」で、よくカラオケでも歌っていました。すごく思い出深い曲なので「COLORS」が一番好きな曲です。
このインタビュー記事をインスタグラムで紹介する時には「COLORS」を使わせてもらいますね♪
ぜひ「COLORS」でお願いします(笑)
では最後に、改めてドラマを観てくれる方々へメッセージをお願いします。
11年越しに長倉家がお茶の間に戻って来ました。今回は、それぞれの「第2の人生」がテーマとして描かれています。ひとつの人生に区切りをつけて臨む「第2の人生」もありますし、新たな人生を始める意味の「第2の人生」もあると思います。その中で「えりな」は父や家族との関係が動き、また新しい恋愛が始まる「第2の人生」が描かれています。人は誰かと関わりながら生きていくものですし、「最後から二番目の恋」シリーズはそれが核になっている作品です。ぜひドラマを観る際には、誰かと一緒に観ていただくと、より「最後から二番目の恋」のチームの一員になった気持ちで観ることができると思います。みなさんも自分にとって「第2の人生」って何だろうと考えて、一緒に笑ったり泣いたりして、一週間の始まりにしてもらえたらと思っています。


【出演情報】
毎週月曜 21時~ フジテレビ系 放送中
「続・続・最後から二番目の恋」
前作2014年当時、小泉今日子演じる千明と中井貴一演じる和平はそれぞれ48歳と52歳、2人合わせて100歳だった。本作は、それから11年という時を経て、千明は59歳の還暦間近、和平は定年を過ぎて63歳となり、それでも互いに変わることなく相変わらずの二人の距離感のまま鎌倉の古民家で、長倉家の家族たちとともに流れゆく人生を見つめる“今”から物語ははじまっていく―。心身ともにあの頃のようにはいかない。人は年齢を重ねていくと悩みも増え、多くの人生経験をしても、また新しい物事を抱え不器用にも人生を愛おしく進んでいく。それでも、年齢という数字にとらわれることなく、ときにあらがいながら、いくつになっても人生を楽しくファンキーに、未来へと生きていきたい―。同世代の人たちにとっては“応援歌”、若い人たちにとっては人生の“道しるべ”ともなる思いが大きく込められた本作。千明と長倉家の家族たちを取り巻くユニークな登場人物たちが織りなす恋愛ドラマというよりもホームドラマの温かさを帯びた、とにかく笑えて、とにかく泣けて、ちょっとだけ恋愛ありのロマンチック&ホームコメディ。
<キャスト>
小泉今日子、中井貴一、坂口憲二、内田有紀、飯島直子、久保田磨希、松尾諭、佐津川愛美、白本彩奈、広山詞葉、美保純、柴田理恵、浅野和之、渡辺真起子、森口博子、石田ひかり、三浦友和ほか
脚本:岡田惠和 音楽:平沢敦士 プロデュース:若松央樹(フジテレビ)/浅野澄美/郷田悠(FCC) 演出:楢木野礼/高橋由妃/西岡和宏
©︎フジテレビ
公式サイト https://www.fujitv.co.jp/nibanmeno_koi/
公式Instagram:@zokuzokukoi2025
公式X:@zokuzokukoi2025
【プロフィール】
白本彩奈 Shiramoto Ayana

2002年5月14日生まれ。東京都出身。170cm。趣味:体を動かすこと(ヨガ、殺陣など)。特技:外国語(英語、ロシア語)、歌。トップコート所属。
3歳で芸能界入り、8歳から本格的に子役として活動。主な出演作品は、ドラマ『最後から二番目の恋』シリーズ(2012年,2014年)、ベルリン国際映画祭でも上映された映画『箱男』(2024年)など。『箱男』ではヒロイン「葉子」役を演じて注目を集める。2025年4月期放送のフジテレビ系月9ドラマ「続・続・最後から二番目の恋」では、大人へと成長した姿の「長倉えりな」役で話題を集め、今後ますますの注目が集まる俳優。
公式Instagram @ayanashiramoto
公式X @shiramotoayana
公式サイト https://topcoat.co.jp/ayana_shiramoto

