新日本プロレス創立50周年を記念した特別企画として、年齢・身長制限を撤廃して入門希望者を募集。そこから選ばれた練習生たちに、プロレス界の至宝、オカダ・カズチカが入門テストまで直接指導。厳しい鍛錬の様子が1月9日(月)からスタートするテレビ番組「THEスピリット~闘魂レスラー発掘プロジェクト~」(以降、「THEスピリット」)で放送されます。このプロジェクトに対してオカダ・カズチカの秘めた思いをインタビューでは語ってもらいました。また自身は1月4日に東京ドームで開催する『WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム』でIWGP世界ヘビー級のチャンピオンベルトをかけて、ジェイ・ホワイトと対戦。指導者としての想いのほか、いちプロレスラーとして王座を目指す現在の心境も語ってもらいました。そのほか、プライベートが垣間見られるイクメン振りも紹介。誰よりもプロレスを愛するオカダ・カズチカの熱い“闘魂”が垣間見られます。

Photo:望月宏樹
Text:kukka編集部

テレビ番組「THE スピリット」が1月9日(月)にスタートします。その企画の背景について聞かせてください。

これまでずっとプロレスラーを育ててみたい気持ちがあり、そうした中で、プロレスラー育成の様子を番組で放送するのはどうか、という話があって、そこに賛同して今回のプロジェクトが動き出しました。テレビ番組ではあるのですが、その映像に映る練習風景は、いちプロレスラーを真剣に育てて、そこにテレビが密着するものだと考えています。プロレスラーになりたいという夢を抱く練習生たちの姿勢を見てもらいたい番組です。

今回入門希望者を募集するにあたって、「年齢・身長の制限を撤廃」「オカダ選手からの指導」など、これまでの慣習を無くす試みをした理由を教えてください。

新日本プロレスの場合、入門募集の条件として、現在であれば年齢が18~23歳までで身長も180cm以上といった制限があります。その制限のために、これまで夢を諦めてきた方もきっといると考えています。今回、その条件を取り払うことで、ものすごいダイヤの原石がいるかもしれない、そう思うとその制限をそのままにはさせたくない思いがありました。一度は、諦めていた方にも挑戦してもらい、絶対にプロレスラーになってやるんだという反骨心も大事にしたいですね。それらの思いもあって、今回は制限を撤廃して募集しました。

世代も環境も違う方からの応募と、メディアを通したプロレス文化の新たな認知といった意味でも意義のある取り組みになりそうですね。

はい、プロレスラーの普段の練習はなかなか一般のメディアには取り上げられていない部分です。番組を通してその鍛錬の厳しさを多くの方に知ってもらう機会であると同時に、プロレスラーの凄さを知ってもらいたい思いもあります。これだけの厳しい練習をしているからこそケガをしない頑丈な体が作られていることを知ってほしいですね。

オカダさんご自身が“指導”をされる際の信条を教えてください。

プロレスラーの基本として考えているのは、「スクワット500回」です。僕自身、プロレス界に入った当時は150回くらいしか出来なかったんです。だからこそ、その目標に向かって努力することとか、限られた時間の中で、その数字まで追いつき追い越すような工夫を自分自身で学び知ってもらい、それを自分自身に生かしてもらう。そこに気づいてもらえたら、それ以外のことも自分で努力、学習の方法を生かせることができるはずです。だからこそ、それを気づき、知ってもらいたいと思います。

目標を達成するための自分なりの道筋を、自分自身で見つける事が大事なんですね。

そうですね。それにプロレスは本当に危険を伴うスポーツでもあります。プロレスラーとしての体力がないまま練習や試合でケガをさせてしまうことは本当に嫌なので、その意味も含めて自分のことを知ってほしいですね。

番組ではありますが、きちんとしたプロを育てていく上で安全が第一になりますね。

僕自身が、プロレスの危なさを知っているからこそ、その「スクワット500回」という基礎をまずは身につけてほしいですね。それが僕の教えの基本でもあるので意識しています。

オカダさん自身は、夢を持った練習生たちを指導することで、何か気づきなどはありましたか。

いろいろな発見がありました。これまでは入門テストに合格してきた若手を指導することはたまにありましたが、入門テストに挑む練習生を指導したことはありませんでした。今回の指導や練習生たちの姿を見ていると、それぞれの性格までしっかり分かりますし、一人ひとりの性格が見えてくるので気づきは多いです。

番組を通して視聴する方には、プロレスファンの方、純粋に視聴する一般の方、女性視聴者がいるかと思います。それぞれ、どんな点を見どころにしてもらうと良いでしょうか。

プロレスファンの方には、プロレスラーがどれだけ大変な練習をしてデビューするのかが分かるので、ファンでも知らなかったことを知ってもらえる機会になると思います。ファンでも飽きることなく、見てもらえる内容だと思っています。いつもテレビで見かけるプロレスラーとは違う姿をお見せできるはずです。スイッチはオンだけれどもリング上とも違う、リング下のプロレスラーを目にして欲しいです。次期プロレスラーもいるので、早い段階で知ってもらいたいですね。

特別指導をしてくれる専任講師として、オカダさん以外にもレジェンドや現役のプロレスラーの名前も挙がっていますね。

新日本プロレス50年の歴史の中で、今のプロレスがあるのは各々が自分で得て成長させてきたことがあるからだと思います。教える視点もそれぞれ異なるので、非常に豪華なこれまでにないトレーニングになると思います。これからプロレスラーになりたいという人は特に、録画して何回でもチェックして欲しいですね。これだけ豪華な人たちに教えてもらうことはないので、貴重な機会になるはずです。

一般の視聴される方への見どころを教えてください。

まずは頑張っている姿を見て欲しいですね。練習生たちに厳しく指導をしているシーンもあるかと思いますが、それは単に厳しくしたいのではなくて、プロレスラーとして精神面でも自覚を持って欲しいという思いがあっての指導です。その中でも、やっぱり頑張っている姿を見てもらって、プロレスという枠に収まらず、その姿に共感してもらえたら嬉しいです。もちろん、番組きっかけでプロレスを知ってもらえれば最高です。目標に向かって頑張っている姿を見て、「よし、自分も明日から頑張ろう」と番組から活力をもらってくれたら良いなと思います。

女性の方向けには、どの点をポイントとして見てもらうと良いでしょうか。

女性は、、楽しんでいただけるか不安です……(笑)。ただ、年代も人柄もさまざまな練習生が登場するので、自分なりに注目する練習生を見つけて欲しいですね。

スタジオリアクターとして、みちょぱさんもいらっしゃるように、若い女性たちにもプロレスを注目して欲しい番組のメッセージもありますよね。

そうですね、収録の様子も見させてもらって、番組内でみちょぱさんが、練習生一人ひとりに対して、この人は面白いねとか、この人は可愛いね、とコメントされていたので、同じように共感してもらえると嬉しいです。真剣に練習に取り組んでいる姿を目の当たりにできるので、女性にもその様子は興味を持って見てもらえると思います。女性からも人気のあるプロレスラーがこの番組を通して出てきてくれるのも楽しみですね。

番組名にもある「スピリット」。肉体をイメージするタイトルではなく、精神面を表す言葉が使われていますね。

(アントニオ)猪木さんが亡くなってしまいましたが、「闘魂」は新日本プロレスのプロレスラーにとって大事な言葉だと思っています。「闘魂」の言葉を背負って戦ってくれるプロレスラーが出てきてくれることを願っています。

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オカダさんご自身についてもお話を聞かせてください。1月4日に東京ドームで、「アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム ~闘魂よ、永遠に~」のメインイベントとして、IWGP世界ヘビー級選手権試合が控えていますね。現在の心境を聞かせてください。

ここのところずっと「THE スピリット」に集中し過ぎていました(笑)。1月4日の東京ドームは、新日本プロレスにとって年間を通じて最大のイベントですし、勝ちたい気持ちでいっぱいです。猪木さんの追悼大会でもあるので、しっかり猪木さんに今の新日本プロレスの熱さ、凄さを届けたいと思っています。番組を通して指導してきた練習生たちにも、僕らが目指しているのはここだと思ってもらえるようにしっかり結果を出し、彼らにも伝えていきたいです。試合の数日後に始まる「THE スピリット」に向けて、しっかり勝利して番組をスタートさせたいですね。何よりカッコいい姿を練習生たちに見せたいですし、チャンピオンになることによって番組自体にも箔が付くはずです。チャンピオンが教える番組だと言えるので、チャンピオンベルトを獲ってプロレス界の中心に戻り、「THE スピリット」も好評を得て、どんどんプロレスの素晴らしさを広めていきたいです。

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プライベートについて、質問させてください。毎日、多忙な中で、現在ハマっていること、欠かせないことなどは何かありますか。

ここ1年くらい、毎日、自分でコーヒーを淹れるようにしています。いろいろな豆を買ってきて、それを挽いてハンドドリップで淹れています。だいたい朝食と昼食の後に淹れることが多いですね。出かけるときもタンブラーに入れて持っていくこともあります。

コーヒーを淹れるようになったきっかけは何かあったのでしょうか。

きっかけは、大先輩の坂口征二さんに勧められたことです。息子の憲二さんがコーヒー屋をされているのもあって勧められて飲んでみたらとても美味しかったんです。そこからハマりました。自分の手で豆を挽くのが、コーヒーの香りを感じながらできて楽しかったです。だから、コーヒーにハマったのは征二さんのせいですね(笑)。でも本当に最近のオカダがいろいろなことを乗り越えられているのはコーヒーのお陰です(笑)

新日本プロレス50周年を迎え、次の50年に向けて期するオカダさんの思いを教えてください。

僕自身まだまだ何十年もプロレスを続けていきたい気持ちでいます。新日本プロレス50周年の時にはいろいろな方に来ていただいたので、2072年3月6日の新日本プロレス100周年の時には84歳でリングの上に上がりたいと考えています。新日本プロレスの“芯”を持った戦いを続けて、次の世代に繋げていきたいと思っています。そのためにも今を大事にしてプロレスを盛り上げていきたいです。

オカダさん個人の今後の目標についても聞かせてください。

まずはチャンピオンになることです! あとは、子どもと遊ぶことですね(笑)。最近は忙しくて、子どもと遊べていないので。

ギャップあり過ぎな2つの目標ですね(笑)

今は子育てを妻に任せてしまっていることも多いので、落ち着いたらしっかり子育てしたいですね。

オカダさんの“高い高い”は、本当に高そうですね(笑)

高いです(笑)。でも試合前なのもあって、今はなかなか抱っこもできず気を付けています。

では、まずはチャンピオンベルトを掲げて、それからお子さんを掲げられると良いですね。

そうですね、まずはしっかりチャンピオンになれるよう頑張ります!


【番組情報】

フジテレビ
「THEスピリット~闘魂レスラー発掘プロジェクト~」

放送時間:2023年1月9日(月祝)スタート
毎週月曜日24:25〜 全10話 ※初回は25:05~

新日本プロレスの50周年特別企画として日本全国各地からプロレスラーを目指す練習生を募集。厳しい練習を通じて、新日本プロレスへの入門テストを受けるまでの姿を描く、一大プロジェクト。練習生を指導するのはプロジェクトリーダーでもある日本プロレス界の至宝、オカダ・カズチカ。スタジオのリアクターには長谷川忍(シソンヌ)、“みちょぱ”こと池田美優を迎えて、練習生の訓練を見守りながら番組を盛り上げていく。

今回のプロジェクトでは、通常の新日本プロレス入門テストで設けている身長・年齢制限を完全撤廃。10代前半~40代後半までさまざまな職、夢、肉体を持った幅広い人材10名が“練習生”として参加。新日本プロレスのエース・オカダ自らプロレスラーを目指す練習生に熱血指導し、入門テストまでの道のりをカメラが追っていく。さらに、往年のレジェンドレスラーや人気現役レスラーもオカダとともに特別コーチとして熱血指導に参加予定!普段はなかなか見られないプロレスラーになるための練習や訓練。プロレスはもちろん未経験の練習生たちが、想像を絶するトレーニングに挑む姿はまさに地獄そのもの。オカダの厳しい指導に耐えながら、夢を追いかける練習生たちの姿に元気をもらえるに違いない。

<出演者>
プロジェクトリーダー兼コーチ:オカダ・カズチカ(新日本プロレス)
スタジオリアクター:長谷川忍(シソンヌ)、池田美優
進行:豊崎由里絵

公式サイト https://www.fujitv.co.jp/b_hp/the-spirit/index.html


アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム~闘魂よ、永遠に~

日時:2023年1月4日(水)
14:45開場 17:00開始
場所:東京ドーム
公式サイト:https://www.wrestlekingdom.jp/


【プロフィール】

オカダ・カズチカ

1987年11月8日、愛知県安城市生まれ。新日本プロレス所属プロレスラー。IWGPヘビー級王座に何度も君臨し、同タイトルの連続防衛記録V12を達成するなど実力のある選手。スタイルの良さと甘いマスクから、新日本プロレスで人気の高い選手の1人であり、「プ女子」ブームの立役者。趣味は、バス釣り・ゲーム・読書。漫画・アニメ好き。愛車は赤いフェラーリ。バス釣り仲間には鬼越トマホークの金ちゃんや、コロコロチキチキペッパーズのナダルさんなど芸人さんが多くお笑い好きの一面もある一方で、他スポーツのアスリートとも横のつながりが広くある。得意技レインメーカー、ドロップキック、マネークリップ、ツームストンパイルドライバー。

公式Twitter:@rainmakerXokada

公式Instagram: @rainmakerxokada

公式サイト:https://sp.njpw.jp/profile/721

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