文豪・谷崎潤一郎の不朽の名作を男女逆転で映画化した『卍リバース』が5/24(金)から公開する。いびつな関係に陥った4人の男女の愛憎が絡み合う物語を描いた本作で、主人公「園田」の妻「弥生」を演じた中﨑絵梨奈。劇中では決意して臨んだ濡れ場のシーンをはじめ、繊細な心の機微を演技で表現しています。難しい役どころを見事に演じ切った彼女に撮影秘話のほか、近況についても話を伺いました。

Photo & Text:kukka編集部

舞台でのお仕事を中心にしていたのですが、映画やドラマなど映像のお仕事もしたい気持ちがあって、今回オーディションを受けて出演が決まりました。オーディションの前から、作品に濡れ場があることも知っていたのですが、30代になり女優として新たな挑戦をしたい気持ちがあって受けることにしました。ある意味、役者として表現することへの本気を見せられたらと思い撮影に臨みました。

濡れ場のシーンに対しては、作品として必要なシーンであれば、そこまで大きな抵抗はなかったです。ただ、これまで支えてきてくれたファンの方たちにはどう映るのか、少し不安ではありました。

そうですね、映画のポスターがリリースされた時にも反応があったようなので(笑)

濡れ場シーンに関しては過去の作品を改めて鑑賞するなどしてイメージを膨らませました。あとは、肌を露出することになるため、体づくりはいつも以上に頑張りました(笑)。撮影の1か月前くらいからパーソナルジムに通い、半月前からは食事も気にして。詰め込みで頑張りました(笑)。せっかくなのできれいなシーンにしたかったので。

スタッフさんに背中がきれいで素敵だったと褒めてもらえました(笑)。頑張った甲斐があったのかなと思って安心しました。

私自身が決意して臨んだこともあり、撮影期間中はかなり悩んでいました。そういったこともあり、役に対する向かい方について相談をしたところ、わざわざ1対1での時間を作ってくださったんです。一つひとつのシーンに対して、こういう気持ちで演じたらいいよ、と親身になってアドバイスをしてくださったんです。不安な気持ちを抱えていた私にとって、宝来監督のおかげで安心して撮影に臨めたことはとても大きなことでした。

不安からなのか納得のいく演技ができずに自信を無くしかけていたんです。それを宝来監督に相談させていただいたところ、「オーディションの時に、中﨑さんのお芝居を見てすごく良いなと持って選んだし、これからもチームとして一緒にお芝居に関わって行きたい。だから安心して自分が思うように、自信を持って演じてみたらいいんだよ」と言ってくださったんです。今はもちろん、この先のことまで考えてくださってもらっていたことが嬉しくて、何よりも安心しました。そこからは気持ちを切り替えて、より前向きに自信を持って演じることができましたし、監督との関係性もより深まったと感じています。

舞台は開演してしまうと1〜2時間ずっとその役でいられるので集中力が持続しますが、映像作品だと、途中で休憩が入ったり、撮影期間が空くこともあるので作った役であり続けることも難しくなります。また初めて訪れた場所でも、そこが作品上では自宅の場合もあるかと思います。自宅のような雰囲気を出さなければいけなくなるので舞台と同じような取り組み方では上手くいかないですね。何より、演技をする時にカメラが目の前にあることにもまだ慣れていないんです。さらに、テストと本番での演技の分け方などの難しさもあります。ただ、そういったところも宝来監督から、アドバイスをもらうことができたので、今後の作品でも生かしてお芝居をできたらと思っています。

メインキャストであることの責任感は大きかったと思います。少し「やらなきゃいけない」と思い込み過ぎてしまった反省点もありますね。ただ、今作で役者として多くの経験を積めたことは大きかったです。この作品があったから、今こうしている、と将来思えるようになれたらと思っています。

私が演じる「弥生」は登場人物の中では割りと普通な人物なので、観ている方から一番自分を投影しやすいと思うんです。ところが、旦那役の「園田」と言い合いになるシーンでは、普通であったはずの「弥生」が怒りや憎しみから崩れる瞬間があるんです。その感情を「園田」にぶつけるシーンの中に、わずかの悲しみや罪悪感も混じり合っているはずなんです。その感情の出し具合は、ぜひ注目して観て欲しいですね。一番テイクを重ねたシーンでもありますし、さまざまな感情を観た方に感じ取ってもらいたいです。

いつも電車で行く場所に、初めて歩いて行ってみたら、すごく桜が綺麗な場所を見つけたんです。特に桜の名所で有名な場所でもなかったのに、そんな貴重な場所を見つけられたのは幸せだと思いました。

結構、歩いているといろいろ見つけられるんです。家の前に恐竜を飾った家とか(笑)。そういうのを見つけるのは楽しいですよね♪

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最近、断捨離にハマっています(笑)。部屋にモノが多いとずっと思っていたんです。それで先日、読み終えた本を古本屋さんへ売りに行きました。なので、最近は部屋をスッキリさせることにハマっています。あとは、雑貨屋さんの「3COINS」にめっちゃハマっています(笑)。先日、蒸し器を買ったんです。野菜が好きなのですが、いつも炒めるか煮るくらいしか調理していなかったので、買ってみたんです。まだ使ってはないのですが、今から使うのを楽しみにしています。

今考えているのは、カボチャ、レンコン、さつまいもとか、あと野菜ではないですけどチキンとかも。

全然、お見せできるほどではないかもですけど(笑)。でも、みなさんにも「3COINS」の蒸し器をおすすめしたいです!

日本代表も務めたことのある、川崎ブレイブサンダースのニック・ファジーカス選手が今シーズンで引退をすることになったんです。ニック選手に関連した動画がアップされているのですが、それがめちゃくちゃ感動する動画なんです! これからBリーグを観てみようと関心のある方はニック選手を知っていたらドヤ顔できると思うので、ぜひ観て欲しいですね(笑)。ずっと川崎ブレイブサンダースにニック選手が居たので、今後どうなっていくかチームにも注目しています。あと、Bリーグの各チームが最近はYouTubeやSNSに力を入れていてたくさんアップしているんです。しかも、すごく面白いんです♪ ぜひ試合観戦の前に動画やSNSをチェックして試合会場に足を運んで欲しいですね。

>>「ニック・ファジーカス引退。ホームゲーム最終日舞台裏に密着」
>>「【ありがとう】Bリーグ初代MVPニック・ファジーカスの現役ラストマッチ」

なかなか行けなくなっているのですが、女子のチャンピオンシップの試合は、会場での観戦ではないのですが、リアルタイムで観ました。

一昨年くらいから、女子の試合も追いかけるようになりました。女子は女子で、男子とは違った面白さがあって観ていて楽しいですね。

ずっと好きなのは、東京羽田ヴィッキーズの津村ゆり子選手です。私が取材を彼女にしたこともありますし、私の舞台にも観に来てくれたんです。これからもずっと応援していきたいです♪

ボランティア活動に参加してみたいと思っています。どんなボランティアでも良いのですが、いろいろな経験をしてみたいのが一番の理由です。調べていたら、障害のある方とけん玉で2時間遊ぶボランティアだったり、牧場でヤギの世話をするボランティアだったり。時間のある時にボランティアをしてみたいなと今年に入ったくらいから思っています。

いろいろな役を演じることで感じていたことなんですが、やっぱり経験してみないと分からないことが多いと思うんです。単純にいろいろなことに興味がありますし、そういった方たちと関わることで、役者としてもお芝居に役立つのではと考えています。

文学作品から生まれた映画『卍リバース』ではあるので、少し重い部分もあるかと思います。ただ、だからこそ特に若い方に観て欲しい作品です。映像もきれいで観やすい作品に仕上がっています。作品全体は「愛」について描かれた作品ですが、同性愛であったり、メディアの問題であったり、さまざまなことが詰まった作品でもあります。観た後で、何かを感じ取ってもらえたらと思いますし、その感じたり引っ掛かったものをより深く考えるきっかけになればとも思います。ぜひ、劇場でご覧になってみてください。


【映画情報】

2024年5月24日公開

映画『卍リバース』

明治、大正、昭和と3つの時代を生きた、近代日本を代表する文豪・谷崎潤一郎。同性愛や不倫に溺れる男女の異常で破滅的な情愛を赤裸々に綴った、谷崎文学の傑作といわれる「卍」。本作は、その舞台を現代に置き換え、原作の登場人物たちの性別を逆にするなど、大胆にアレンジを加え映画化。出演は、タレント・女優など幅広く活躍する中﨑絵梨奈。本作では、大胆な濡れ場に挑むなど、体当たりの演技を魅せる。そして、『ヘタな二人の恋の話』の鈴木志遠や『モダンかアナーキー』の門間航など期待の若手俳優が顔を揃える。監督は、「家政夫のミタゾノ」「NICE FLIGHT!」などTVドラマを中心に活躍する宝来忠昭。

<キャスト>
鈴木志遠 門間航 中﨑絵梨奈 田中珠里
手島アリサ 真田和輝 小野寛之 オオエベン / 斉藤陽一郎

原案:「卍」谷崎潤一郎
監督:宝来忠昭
脚本:宝来忠昭/藤村聖子
製作:BBB/ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
©2024「卍 リバース」パートナーズ

公式X:@BungoNtr
公式サイト:https://manji-re.com/


プロフィール

中﨑絵梨奈 Erina Nakazaki

中﨑 絵梨奈(なかざき・えりな)。1993年6月8日生まれ。福岡県出身。153cm。趣味:読書・バスケットボール・バスケ観戦。エイベックス・マネジメント所属。
2013年avexとCanCam開催「全国ぷに子オーディション」にて3500名の中から選ばれChubbiness(チャビネス)としてデビュー。ピコ太郎姉妹ユニットとしてアイドル活動し、2019年Chubbinessメンバー全員卒業とともに、女優として活動開始する。2016年「ミスヤングチャンピオン2016」グランプリ受賞、2019年「サンスポGOGOクイーンオーディション」グランプリ受賞。2024年4月期テレ東ドラマ「好きなオトコと別れたい」、2024年4月期読売テレビドラマ「シークレット同盟」などにも出演。2024年5月24日公開の映画『卍リバース』では主人公の妻「弥生」役を演じる。

公式Instagram:@chu_erina
公式X:@Chu_erina_avex
ファンクラブ:ウェブサイト

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