12月13日(金)に公開する映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」。人気児童小説の実写化が話題の本作で、主演の天海祐希や大橋和也らとともに名前を連ねるのは女優・平澤宏々路。 kukkaでは今回で4回目のインタビューとなる一押しの若手女優です。話題作へ次々と出演が決まるその高い演技力を武器に、取材のたびに着実に大人へ成長をしています。仕事も学生生活も充実していると話す彼女に、映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」と、出演中のドラマ「高杉さん家のおべんとう」についてのインタビューです。高校生活と俳優業、そのどちらも手を抜かずにしっかりと務め上げる彼女に、近況も含めたたくさん話をしてもらいました。

Photo:Arakat
Text:kukka編集部

オファーをいただいて、出演が決まりました。中田監督の作品はどれも素敵なものばかりなので、呼んでいただけて本当に嬉しかったです。ホラーなイメージがある中田監督ですが、その監督がこの作品を撮った時にどういったテイストの作品になるのか楽しみでワクワクしました。

とても世界観のある方だと思いました。作品役について説明をしてくださる時、家族との関係性やその時に悩んでいる役の考えなど、そのすべてを細かく指示してくださるんです。きっと監督の頭の中で役同士の関係の図が完璧に出来あがっているんだと思いました。撮影中に相談すると、必ず細かく完璧に回答してくださる監督です。作品に対する設計図が、完成されていることを感じさせてもらえました。

はじめは威厳のある方だなと思っていたんです。でも、話していくうちにそれだけではなくて、優しく笑いながら話しかけてくださったり、可愛らしい一面もあって、とても温かい方だなと思っています。

多かったのは「如月百合子」役の伊礼姫奈ちゃんと、私が演じたまどかの兄「等々力小太郎」役を演じた大橋和也さんです。お二人とも、今回初めてご一緒させていただきました。姫奈ちゃんは、年齢的には私の2つ上なのですが、役柄上は親友でもありライバル関係でもあるんです。はじめは、どうやって仲良くなろうかと思っていたのですが、ふたりしてドーナツの話で盛り上がったのをきっかけにすぐに仲良くなり、スムーズに役の関係に入ることができました。大橋さんは明るくて周りのみんなを引っ張っていくタイプの方です。どのスタッフさんともたくさんお話をされているのを間近で拝見していました。テレビで拝見する時と変わらず、むしろそれ以上に現場では明るくて元気な大橋さんでした。

「まどか」はとても芯のある強い女の子なのですが、そこに歳相応の葛藤であったり、悩みを常に抱えています。美大を志望していることからも、自分の好きなことにまっすぐで居続ける、そういったことが台本からも伝わってきました。

私はこの芸能界で長くお仕事をさせていただいて、ある意味、私も好きなことを突き詰めて、現在の場所にいると思っています。だから「まどか」と同じように、好きなものへの気持ちや熱量は一緒で近いものを持っているのかな、と共感するところがあります。

私の周りは良い人が多くて、大きな悩みを抱えるようなことは、これまでに無かったんです。特に中学生になってからは、本当に人に恵まれたと感じています。意地悪をされたり、嫌なことを言われたことは全くないんです。あたたかな友人関係です(笑)

すごく広い人間関係でなくても良いのかなと思っています。友人もそうですし、家族やその周りの人たちも同じように。広くし過ぎて、一人ひとりとの関係が疎かになってしまうなら、自分が人を大切にできる範囲を決めて、その範囲にいる人との関係を守る、大切にする感覚を心掛けています。
もちろん、そういった人たちには素を見せることもあって、相手に変に気を遣わせないように常に心がけています。同時に、お互い気を遣いすぎる関係にならないようにしています。私の友だちもそういったことを理解してくれていて、言い換えると、こちらで取る態度が相手にも鏡のように反映されるものだと思っています。

当然のことかもしれないのですが、スタジオのセットってすごいなと再認識させられました。“ セットがあることで、演じる役柄がより生きる ” そんな感覚がありました。今回は銭天堂と美大を目指すための予備校、そして家の3つのセットを経験しました。家のセットでは、家族の関係値が見えたり、まどかはこの家でどうやって過ごしているんだろうと想像を掻き立てられますし、観ている方にもセットだけで理解ができることもあると思うんです。予備校に行ったら、どういったことを学んでいるのか、「まどか」と「百合子」の関係性がどう変化していっているのかも、そう感じさせてくれるセットがあってこそだと思います。
銭天堂のセットを初めて目にした時に、不思議と惹き込まれた感覚があったことを覚えています。自分の中にある感情や、心の奥底にある感情未満のものが、視界に入るセットに引っ張られていく感覚です。引っ張られることによって、生まれてくるお芝居もたくさんありました。大道具やセットが本当に大事なんだと、この作品で経験できました。

そのことに気づくことが本当に多い撮影でした。場面が大きく変わることもあり、いつも以上に気づかされました。

そうなんです。お菓子のラベル一つずつまでも、とてもこだわって作られているんです。面白いネーミングの駄菓子もあって「これ何だろう」と盛り上がっていました(笑)。一つひとつをしっかり見たいですし、駄菓子の紹介もしたいです。そういったセットから受け取るワクワク感もあり、おかげ様で生き生きとしたお芝居ができました。

本当にもったいないです(笑)。銭天堂のカウンターの内側は、映画では映らないじゃないですか。でも、カウンターの内側も、細かく作り込まれていているんです。「紅子」がどのくらいここで過ごして、どうやって使っているのかまで、本当によく見えるセットになっているんです。私は素敵なセットを作ってくださったスタッフさんに、こっそり胸の内で感謝をしています(笑)

他の国の言語が話せるようになる人形の「バイリンガール」が欲しいです(笑)。駄菓子ではなく人形なんですけど、これは羨ましいですね。

好きな科目の順番でいうと下の方ですね(笑)。だから、「バイリンガール」の人形は本当に羨ましいです。

自分でも意外なんですけど「生物」なんです。理系で唯一、好きな科目です。先生がとても良い先生だった影響が大きいかもしれません。生物の先生と仲良くなって、そこからは生物への興味や関心が高くなりました。

「バイオーム」とか、自然に関することが好きなんです。地域によって育つ植物が違ったり、育つ植物の特徴が環境に適合したりとか。もともと森や自然の多い場所が好きなんです。撮影で地方にロケで行くと東京では見かけない、植物が生えているんです。なかなか自然が少ない都会の暮らしでも、唯一感じられるのが「バイオーム」についてなので、好きですし関心もありますね。

植物の保護活動にも興味があるので、何かしらのかたちで携われると良いですね。

出てみたいです! 考えただけでも楽しそうですね。今は「再生可能なエネルギー」に注目も集まっているので、そういったこともより知識を身につけて、関われたらと思います。

順番的には、真ん中くらいの好きですね。

ゆる〜い感じの絵だったら描けます(笑)。ゆるくのんびりしたタッチの絵が好きで、そういった作家さんやイラストレーターさんの作品を見るのが好きなんです。

「百合子」との関係性の中で「まどか」が絵に対して悩んでいる時、どんどん気持ちが落ちてしまっていく際の ”表情” に注目してほしいです。最初は、モヤっとしたものが段々と大きく膨らんでいってしまう表情について、撮影前から中田監督とすごく話し合いをしました。いざ撮影現場に入ってからも「今はどれくらい膨らんでいるか」と話しながら撮影していたんです。ハラハラするシーンでもあるので、ぜひその ”表情” を見てほしいですね。芯の強い「まどか」でも悔しさや悲しさ、どうしても出てきてしまう隠せない怒りなど、多くの感情が混ざっている場面です。その表情を見て「まどか」の悩みを感じてもらえたらと思います。そのシーンがあるからこそ、ラストのシーンが生きてくると思っているので、ぜひ「まどか」の ”表情” に注目してもらえたら嬉しいです。

そうなんです(笑)。不幸な役が多いんです。たまには、反対の役をやってみたいです♪

実は「なつ希」ちゃんとの関係で、一人クラスで浮いた存在であることを表現したかったシーンなんです。原作でも人気のシーンだったので、うまく演じられた時に、「なつ希」役の並木彩華ちゃんとも、良かったねとふたりで話をしていました。

学校のシーンは短い期間で、一気に長時間の撮影をしたこともあって、並木彩華ちゃんとも仲良くなれました。ある意味「久留里」と「なつ希」の関係性のまま、楽しい撮影でした。でもプライベートでは、彩華ちゃんより私の方が騒がしいと思うんですけど(笑)

ひとあし先に出来上がった作品を観させていただいたのですが、実は泣いてしまったんです。8話から10話まで観た時に、すごく涙を流してしまいました。後半になるまでは、家族でほっこりな話が多かったのですが、台本を読んで終盤は涙、涙の話になるんだろうと思っていました。小山慶一郎さんが演じる「温巳」と「久留里」の関係性だけでなく、家族の絆や美村里江さん演じる「美哉」のことも新たに物語に加わっていきます。「久留里」と「温巳」が出会い暮らしていく中で、お互いに不器用だったふたりが仲良くなっていく、その結果が描かれています。お互いのことを思い、行動するふたりの姿に、私は涙を流してしまいました。お互いに言えなかったことも言い合えるようになり、お互いの成長も描かれています。ぜひそこに注目して、涙を流し ”飯テロ” されながら、観てもらえたらと思います(笑)。もちろん、美味しそうな料理のレシピも出てきますし、恋愛の行方も楽しみにしてください。

そうなんです。撮影現場の空気はいつも温かくてほっこりはしていたのですが、後半を撮影するに連れ、静かさのある温かさに変わったと感じました。小山さんのお顔を見るだけで、気持ちが上がって心が揺さぶられました。目に涙が溜まってしまいそうになり、慌てて気持ちを押さえていました(笑)。小山さんはとても温かい方で、小山さんの支えがあったからこそ、このドラマも良い作品になったんだなと実感しています。感謝もしていますし、家族のような温かさがある素敵な小山さんでした。

はい。小山さんもそうですし、他の出演者の方や監督をはじめ、スタッフさんも本当に素敵な方々ばかりで、素晴らしい現場の作品に参加させていただきました。そんな作品にヒロインとして参加させていただいたことも、私にとって大きな宝物にもなりました。

_DSC0154
_DSC0153
_DSC0143
_DSC0136
previous arrow
next arrow

友だちとも遊んでいますし、ちゃんと ”青春” を過ごせていると思います(笑)。この前、学園祭があってみんなで出店したんです。私もお店の受付をしました。みんなと協力して、とても楽しかったですし、お客さんもたくさん来てくれました。

縁日を開いたんです。射的だったり輪投げをして、来てくださった方にはクッキーをサービスしました。ものすごく楽しかったです♪ そういったことをしていると、ふと瞬間に「わたし、いま高校生やってる」と実感することがあります(笑)

学業もそれ以外の高校生活も、今年は割と充実した一年を過ごせたと思います。

コスメにハマりまして(笑)。アニメやマンガも今まで通り好きなんですけど、新しく好きになったものではコスメ、メイクです。メイク関連の動画をよく見るようになりました。美容系のYouTuberの方の動画を、自分で意識して見るようになりました。

自分でやりました!

嬉しいです♪(笑)。今まではあまり興味が無かったのですが、最近は、自分の肌質に合ったものを使おうとか、スキンケアからメイクの道具まで、自分に合っているものを探すようになりました。いつかパーソナルカラー診断に行ってみたいとも思っているんです。診断結果にとらわれ過ぎたメイクはしたくないのですが、知っていれば1つ得した気持ちになれるのかなと思っています。

ここ最近はそれが多くて。やはりメイクの仕方については、メイクさんに聞くのが一番です。私に合うメイクの仕方をしてくださる方が多いので、ついいろいろ聞いてしまっています(笑)。「アイシャドーの塗り方ってどうするのが良いですか」「色味ってどういうのが似合うと思いますか」とか。メイクさんによって使っているブランドが違うので、「ここのブランドは保湿力が良いよ」「ここは発色が良いからおすすめだよ」とか、いろんな貴重な情報をいただいています。フェイスパックも家族で使い合って、どこのパックが良かったかを話し合ったりしているんです(笑)

アイシャドーも塗り方ひとつで全然違うので、同時に難しさも感じています。本当にメイクは奥が深いですね。

原作も人気のある作品ですが、その空気感を取り入れつつ、より素敵でワクワクする映画になっています。子どもの頃に駄菓子屋に入った時のようなワクワクした気持ちになってもらい、映画を観た後も、幸せな気分で帰ってもらえたら嬉しいです。
私は映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」が大ヒットする駄菓子が欲しいと思っています♪


【プロフィール】

平澤宏々路 Kokoro Hirasawa

平澤宏々路(ひらさわ・こころ)。2007年9月21日生まれ、東京都出身。153cm。趣味:コスメ、リップクリーム集め、日本全国の和菓子を食べ歩く、ペットのチンチラと遊ぶ。特技:歌、殺陣、エア卓球、着付け、茶道。所属:研音。
2009年にCM出演し、芸能界入り。2011年にドラマデビューを果たすと「江〜姫たちの戦国〜」「わたし旦那をシェアしてた」「浦安鉄筋家族」、映画『貞子3D2』などの話題作に出演し注目を集める。2020年放送のスタジオジブリ長編アニメーション「アーヤと魔女」(NHK総合)では主人公のアーヤ役を務める。2022年Prime Video『仮面ライダーBLACK SUN』でヒロイン・和泉葵役を演じる。2023年10月期ドラマ「コタツがない家」ではマンガ家志望の女子高生・原木田れいら役を熱演。2024年10月期水曜プラチナイト「高杉さん家のおべんとう」ではヒロイン「高杉久留里」役に抜擢。同年12月13日公開の映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」では「等々力まどか」役を好演。10代を代表する演技派女優として、今後も注目を集め続ける期待の星。
▼公式サイト
▼公式 X
▼公式Instagram


【映画情報】

公開日 2024年12月13日(金)

映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」

出演:天海祐希
大橋和也 伊原六花
平澤宏々路 伊礼姫奈 白山乃愛 番家天嵩 今濱夕輝乃
山本未來 渡邊圭祐 田中里衣 じろう (シソンヌ)
上白石萌音

原作 「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズ 廣嶋玲子・作 jyajya ・絵 (偕成社刊)
監督 中田秀夫
脚本 吉田玲子
音楽 横山克
主題歌 水曜日のカンパネラ「願いはぎょうさん」 (Atlantic Japan / Warner Music)
制作プロダクション KADOKAWA
製作 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
配給 東宝 ©2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
▼公式サイト
▼公式 X
▼公式Instagram
▼公式TikTok


【ドラマ情報】

毎週水曜 24:29〜 中京テレビ・日本テレビ系

水曜プラチナイト「高杉さん家のおべんとう」

<出演>
高杉温⺒・ハル:小山慶一郎
高杉久留里:平澤宏々路
⾹⼭玲⼦:市川由⾐
⼩坂りいな:⼤原優乃
なつ希:並⽊彩華
丸宮光:⽊村来⼠
⾼杉美哉:美村⾥江
⾵⾕久郎:半海⼀晃

原作:柳原望「高杉さん家のおべんとう」(MFコミックスフラッパーシリーズ/KADOKAWA刊)
脚本:川邊優子
監督:二宮崇 佐藤リョウ

公式サイト
Ⓒ柳原望/KADOKAWA Ⓒ中京テレビ

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事
【水谷果穂:インタビュー】月9ドラマ『イチケイのカラス』に新人・裁判所事務官として出演する水谷果穂。キビキビと手際よく仕事をこなす役柄からとは真逆なゆるふわ系!?な彼女の魅力をお届けします!
CULTURE
【水谷果穂:インタビュー】月9ドラマ『イチケイのカラス』に新人・裁判所事務官として出演する水谷果穂。キビキビと手際よく仕事をこなす役柄からとは真逆なゆるふわ系!?な彼女の魅力をお届けします!
【水谷果穂:インタビュー】月9ドラマ『イチケイのカラス』に新人・裁判所事務官として出演する水谷果穂。キビキビと手際よく仕事をこなす役柄からと...