大河ドラマ「光る君へ」で、まひろ(吉高由里子)の娘・藤原賢子役で注目を集める女優・南沙良。韓国ドラマNetflixシリーズ「わかっていても」の世界観を再構築した、12月9日配信スタートのABEMA・Netflix配信のABEMAオリジナル連続ドラマ「わかっていても the shapes of love」のほか、12月6日に配信スタートのDMM TVオリジナルドラマ「外道の歌」にも出演する人気ぶり。どの作品でも観ると “この役が彼女で良かった” と思わせる圧倒的な演技と存在感に満ち溢れている彼女。“完璧”が似合う南沙良さんに、作品への取り組みなどエピソードを踏まえてインタビュー。一転、“ 完璧ではない!? ” 可愛さ溢れるプライベートな話もたくさん聞かせてもらいました。
Photo:Arakat
Style:藤井希恵(THYMON Inc.)
Hair & Make up:瀧川里穂
「わかっていても the shapes of love」について伺わせてください。出演が決まった時の率直な気持ちを聞かせてください。
もともと韓国ドラマ版を一視聴者として観ていました。素敵な作品だと思っていますし、元の作品に対するファンの方もたくさんいるかと思います。なので、そういった方々にも受け入れられる作品にできたらと思っていました。
演じられた「浜崎美羽」はどういった女性と捉えて演じられたのでしょうか。
人間味のある女性だと感じていました。いろいろなものを諦めているようで、実は諦め切れていないところがあったり。そういった繊細な人らしい部分を表現できたらと思い演じました。
一番意識されて臨んだのはどういった点でしょうか。
物語の順番通りに撮影しないので、時間軸や時系列のようなものは意識しました。気持ちの流れであったり、そういったことを細かく表現できたらと思っていました。
「美羽」役を探していた中川監督と南さんが出会った時のエピソードについて聞かせてください。監督に「好きな本は何ですか?」と聞かれたことが、監督には強く印象に残っているようでした。
「何か監督に聞いてみたことはありますか」と聞かれたのですが、突然だったのであまり思いつかなくて(笑)。私、本を読むことが好きなんです。なので監督はどういった本を読まれるのかなと思い、質問させていただきました。好きな本がどういったものかで、どういった方なのかが少し分かるかなと思ったので。
確かにそうですね。逆の立場だったら南さんは、どういった本を挙げられるのですか。
難しいですね。こういう質問は、聞かれたら聞かれたで困るんですよね(笑)。好きな映画も聞かれると困るんです。
そうですよね、1つや2つじゃない話ですよね(笑)
そうなんです。私は特に小説がすごく好きなんですが、同じ本でも難しいそうな哲学書とかはあまり読むことがないんです。
南さんの質問に監督は何と答えたのでしょうか。
その “哲学書” でした(笑)
(笑)。監督さんだから職業的にも、「概念」や「思考プロセス」の分析とかに興味があるんでしょうかね。
確かに、監督はそういったことを考えるのがお好きそうでした(笑)
「浜崎美羽」役について、中川監督からの要望は何かあったのでしょうか。
とにかく繊細に演じてほしい、と言っていただきました。私もそこは、演じながら大切にしていた部分です。
ご自身との距離感でいうと近い役柄だったのでしょうか。
演じやすい役ではありました。人物としてすべてを共感できるわけではないのですが、もともと彼女が持っているテンションは私とも通じることがあると感じていました。
一番共感できたことは、どういったところでしょうか。
諦めていそうで、実は諦めていないことがあったり、そういった心情は共感できましたね。
こんなにも多くの作品に出られていても、まだ諦め切れないことがあるんですね。
はい(笑)
共演された「香坂漣」役の横浜流星さんとの印象やエピソードがあれば教えてください。
撮影初日に「何かやりづらいことがあったら遠慮なく言ってね」と仰っていただきました。とてもありがたかったですし、頼もしくも思いました。段取りでも、私が動きやすいように、またセリフを言いやすいように、横浜さんが動きを変えてくださるんです。そういった気遣いもあり、私はすごく助かっていました。
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美大が舞台なこともあり、「浜崎美羽」こと南さんのデッサン画が登場するシーンがありました。あのデッサン画は撮影後、記念にもらえたりしたのでしょうか。
あ、いただいてないです。いただいておけば良かった〜。考えてもなかったですけど、確かに何枚かあったので1枚くらいは欲しいですね(笑)
マネージャー:まだ残っていますよ。
本当ですか!? うれしい♪
自分で「私のデッサン画を描いてください」と言うのは恥ずかしいですけど、仕事でいただけるのであれば欲しいですよね(笑)
確かに、そうですよね(笑)
近々入手予定とのことで、楽しみですね。
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作品タイトル「わかっていても」にちなんで、南さんが「分かっていてもやめられないこと」を教えてください。
ペットボトルのキャップをしっかり閉めることができないんです。分かってはいるんですけど、でも閉められないんです。だから、何回か大きな失敗してしまうことがあって……。先日も、きちんと閉めていなかったキャップがカバンの中で外れてしまい、最悪でした。しかも水ではなくて、お茶だったんです(笑)。分かってはいるんですけど、クセなんですかね。しっかり閉められないんです。
それはかなり前からなんですか。
はい、かなり前からなんです。
これからまだまだカバンが濡れる事件は続きそうですね。
はい(笑)
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DMM TVオリジナルドラマ「外道の歌」についても聞かせてください。出演にあたり、どういった気持ちで臨まれましたか。
もともと原作も読んで知っていた作品なんです。率直に、この作品を映像化したら一体どんな風にでき上がるのか、とても楽しみでした。
窪塚さん、亀梨さんと共演されてみた印象を聞かせてください。
お二人が現場で作ってくださる空気が、和やかにもしてくださいますし、背筋が伸びるようにも作ってくださるんです。私自身、とても役に入りやすかったですし、お二人とも、尊敬するところばかりでした。
演じられた「開成奈々子」役は、どのようなイメージだったのでしょうか。
「奈々子」のことを “ 声から入る子だな ” という印象がありました。人とコミュニケーションをとることを遮断しているので、とにかく ” 家族の声 ” を聞こうと思ったんです。音声さんにお願いをして、家族が会話をしている音声を送ってもらい、撮影中はそれをよく聞いて臨んでいました。
⽩⽯晃⼠監督からの要望は何かありましたか。
一見したところ「奈々子」は、割と淡々としているんです。ただその中でも、内に秘めたものが必ずあると思っていて、そこを忘れずに演じたいと思っていました。監督も同じことを思っていらっしゃったので、撮影では特にその点を意識していました。
「外道の歌」の作品で、キーワードである「復讐」を「リベンジ」と捉えさせていただきます。いま南さんが「リベンジ」したいこと、教えてください。
私、バンジージャンプが好きなんです。
好きなんですか!? お話している雰囲気からは想像できないです。
はい、あとジェットコースターもすごく好きなんです(笑)。バンジージャンプは今まで1回しか飛んだことがないですが、好きですね〜。今年、マカオ旅行をしたのですが、そこで世界一高いバンジージャンプと言われているマカオバンジーに挑戦しようとしたんです。でも結局、飛ぶことができなくて……。だから今はそれをリベンジして、飛んでみたいです。でも、命をかけて飛ぶのに、数万円も払うなんておかしいですよね(笑)
「開成奈々子」役、ここに注目してほしいポイントを教えてください。
ラストのシーンはぜひ観てほしいですね。「開成奈々子」が過去と向き合うシーンにもなっているので、ぜひ楽しみにしてもらいたいです。
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プライベートについても聞かせてください。いま一番夢中になっていることを教えてください。
2匹の犬を飼っているのです。ほぼ毎日ドッグランのような場所に連れて行き、そこで犬を遊ばせています。
忙しそうな生活のなか、毎日ですか。
はい、仕事があっても朝早く起きて出かけたり、帰宅後の夜遅くに出かけています。もちろん、休みの日も早く起きるようにしています。
犬との“癒し”の時間を毎日作られているんですね。
”癒し”になっているかどうかはわからないです(笑)。まだ若い犬で1歳と3歳なんです。1歳の方が割と大きな犬種なんです。
2匹の犬の名前は?
サンチュとホルモンです!
あの、焼肉の?(笑)
はい、私がホルモン大好きなので名付けました♪
バンジージャンプが好きで、ホルモン好きな南さん、意外です(笑)。2匹の性格は違うのでしょうか。
どちらも男の子なんですが、1歳のホルモンは静かで、3歳のサンチュがとにかく激しくて元気な子なんです。散歩には、朝7時頃に出かけることが多いのですが、散歩が大好きなサンチュは、朝5時くらいから起きて、早く連れて行けとワンワン枕元で吠えてくるんです。うるさいから連れて行くんですけど、もう1匹のホルモンはそんなに散歩が好きではない犬なんです。散歩中、笑っているのはサンチュだけで、ホルモンと私は死んだような顔をしながら、サンチュに着いて散歩をしています(笑)。「サンチュ、楽しいのはお前だけだぞ」と思いながら、毎日犬2匹と一緒に過ごしています(笑)
「ホルモンとサンチュがいて、サンチュが笑っている」。それだけ聞くと、誰と何の会話をしているのか分からなくなりますね(笑)
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私らしいマイルールがあれば教えてください。
仕事の時は、できるだけお弁当を持って行くようにしています。
忙しくてもですか。
はい、忙しくても、現場に持って行きますね。現場では、どうしても茶色いお弁当が多くなってしまうので、胃もたれ防止や仕事に集中する意味でも、栄養が摂れるお弁当を持って行くようにしています。
お忙しいのにすごいですね。結構、テキパキ派なのでしょうか。
いえいえ、まったく!(笑)。かろうじて、このお弁当作りができているだけなので。
栄養のある弁当をきちんと作って、しっかり栄養も摂ることで、自分なりのリズムを整えているところもあるのでしょうか。
確かにそうですね。これでリズムを整えている感はありますね。
では最後に2つの作品について、それぞれメッセージをお願いします。
「わかっていても the shapes of love」はどの世代の方が観ても、共感していただける作品だと思っています。ですので、よりたくさんの方に観てもらえたらと思っています。
「外道の歌」は描写が激しい部分もあるのですが、ユニークさもあり笑ったり楽しめたりもする作品です。“正義”って何だろう、と考えられる作品になっているので、そういったことを考える視点でも楽しんで観てほしいですね。
【作品情報】
ABEMA・Netflix配信のABEMAオリジナル連続ドラマ
「わかっていても the shapes of love」
<出演>
横浜流星、南沙良 ほか
監督:中川龍太郎
脚本:中川龍太郎/佐近圭太郎/横尾千智
原作:LINEマンガ「わかっていても」(作家 ジョンソ)
原案:韓国ドラマ:「わかっていても」(制作・著作 SLL Joongang Co.,Ltd、作家 ジョンウォン)
製作:サイバーエージェント 配信:ABEMA、Netflix
https://abema.tv/video/title/342-7
【作品情報】
DMM TVオリジナルドラマ
「外道の歌」
DMM TVで独占配信中!
<出演>
窪塚洋介/亀梨和也/南紗良/森崎ウィン/杉本哲太 ほか
監督:白石晃士
原作:渡邊ダイスケ『外道の歌』
https://tv.dmm.com/vod/detail/?season=fmqb7yvqspkmead68jasujz7g
【プロフィール】
南沙良 Minami Sara
南沙良(みなみ・さら)。2002年6月11日生まれ。東京都出身。160cm。趣味:読書、アニメ鑑賞、ゲーム。レプロエンタテインメント所属。
映画『幼な子われらに生まれ』(2017年8月公開)で女優デビュー。翌年の初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018年7月公開)で、報知映画賞、ブルーリボン賞他、数々の映画賞を受賞し、その演技力が高く評価される。近年の出演作に、映画『女子高生に殺されたい』、主演映画『この子は邪悪』、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、Netflixシリーズ「君に届け」などがあり、先日NHK大河ドラマ「光る君へ」では藤原賢子役を好演。ABEMA・Netflix配信のオリジナル連続ドラマ「わかっていても the shapes of love」浜崎美羽役、DMMTVオリジナルドラマ「外道の歌」開成奈々子役でも出演し、人気作品に欠かせない女優として飛躍する22歳。
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