
映画『きさらぎ駅』の公開から3年、その続編となる『きさらぎ駅 Re:』が6月13日に公開します。ホラー作品でありつつも、ユニークなストーリー展開と絶妙な描写でホラー作品に奥手な方でも存分に楽しめる作品です。今回は、前作同様にメインキャストとして「堤 春奈」役を演じた女優・恒松祐里さんへのインタビュー。撮影中のエピソードや見どころを恒松さんの視点で紹介してもらいました。また見た目のクールさとは一線を画すプライベートについても話を伺っています。自称・ピンクキャラ!? な魅力と笑顔に溢れた女優・恒松祐里さん出演の『きさらぎ駅 Re:』に注目です!
Photo:望月宏樹
Stylist;武久真理江
Hair&Make:横山雷志郎(Yolken)
Text:kukka編集部
シリーズ2作目となる『きさらぎ駅 Re:』ですが、撮影にあたり意識したことがあれば教えてください。
私が最初に登場するシーンは前作のエンドロールからの繋がりがあったので、改めて前作を再チェックして、繋がりのある登場にしようと心がけました。今作に限らず、出演する作品では、必ず役作りのメモを残しています。撮影前に、前作で残していたメモをしっかり読み込んで「春奈」の人物像を理解して撮影に臨みました。また、台本を読んで「春奈」が作品の中で成長していくので、そこで生まれる心情の変化はしっかり付けようと意識しました。
続編だからこその魅力を教えてください。
一番は前作以上に“感動”できるところです。物語が展開していくに連れて、心情の変化が生まれてくる作品です。みんなで力を合わせて謎を解決するぞと、ある意味では“青春”を感じさせるようで感動もあります(笑)。より物語として、深みを増しているので、その点を楽しみに観ていただけたらと思います。
監督からは何かを求められたのでしょうか。
2作目でもあり、私自身、監督から求められることも分かっていたので、割と自由にのびのび演じさせていただきました。
そういった監督との関係値もある中で、一番手応えを感じることができたシーンはどういったものですか。
待ち伏せしている人を木で倒すシーンです(笑)。そのシーンはカッコよく演じたかったんです。監督にも「こうやって倒すのはどうでしょうか」と提案をしたところ、それで行こうとOKをもらえたので、イメージした演技ができたと思います。
演じられた「堤 春奈」の魅力を教えてください。
彼女の魅力は、やはり人間らしいところだと思います。悪い人ではないけれど、でも決して良い人でもない。そこが普通の女の子だと思いますし、「春奈」らしさの魅力だと思っています。その普通さが多くの人から共感してもらえている理由だと思います。誰しもが想像できる存在なんだと思います。約束は守るつもりだった、でも自分を一番に守りたくなってしまった。誰しもが持っている、ある意味での弱さであり、自分を守る意味では強さだったり。そういったところは私も共感ができる部分だと思います。



今作では「明日香」の年齢が変わったこともあり、「春奈」との関係性にも違いがあると思います。
「明日香」が頼もしくなって、年齢差を関係なく彼女に付いていく「春奈」との関係性が新鮮でした。ある意味、前作とは関係値が入れ替わるようなシーンもあります。以前と同じ場所で撮影をしているのに、いつの間にか私の方が守られる側になっていることが、不思議な気持ちで演じていました。
本田望結さんとの共演は前作以来だったのでしょうか。
まさか再会するのが「きさらぎ駅」だとはお互いに思っていなかったので、会った時は本当に盛り上がりました(笑)。撮影中もずっと一緒にいて笑っていた気がします。
本田さんの印象を聞かせてください。
高校生だった前作に比べても20歳を迎えられて、よりしっかりされている女優さんだなという印象です。現場でも、常に明るくて、みんなを引っ張ってくれるところがあるんです。あと本田さんは本当に“晴れ女”なんです(笑)。絶対に晴れていないと撮影できないシーンがあったのですが、天気予報では、撮影当日は台風。みんなでどうしようかとすごく心配していたんです。でも当日になったら、本田さんの撮影シーンはずっと晴れだったんです。でも、本田さんが帰られると雨が降り出す、といったことが何度かありました。本当に本田さんのおかげで撮影ができたと言っても過言ではないです(笑)
そのほか撮影でのエピソードがあれば教えてください。
秋に撮影した前作と違い、今回は夏の撮影でした。今回も線路で撮るシーンがあったのですが、その場所にはものすごく“蛭”がいたんです。撮影中はずっと“蛭”と戦っていたほどです(笑)。そんな中、本田さんのマネージャーさんがものすごく蛭に刺されていて、たくさん血が出ていたんです。それを見たみんなでが、「誰よりも『きさらぎ駅』だね」と話をしていました(笑)
一視聴者として観た感想は「これはもしかして、『きさらぎ駅 Re:Re:』があるんじゃないかと思わず期待してしまいました。
そうなんです! 前回も撮影が終わった後で、次作もあるかもね、とみんなで話をしていたので、今回も可能性として無くはないと思っています。あと、前作では、次作の予定が無かったので衣装もすべて返却してしまったみたいなんです。だから「春奈」が着ていた特徴ある緑の服が無くて、いろいろなところを衣装さんが探してくれました。見つからなかったら、どうしていたんだろう、と思います(笑)
服もそうですし、髪も前作の終わりと似ていないとまずいですよね。
実は撮影の時、その直前で出演していた舞台の影響で前髪がパッツン状態だったんです。だから撮影では、前髪エクステと、後ろ髪にエクステを付けて挑みました。
全然気づかなかったです(笑)
実は撮影中に「もし3作目があったらどうする?」とみんなで話題にしていました。今回の作品を観ると分かるのですが、ある意味、「きさらぎ駅」の世界より、現実世界の方が怖いことが待ち受けているんじゃないか、というシーンもあります(笑)。いくらでも新たな物語の展開が生まれそうなので、3作目があったら、また楽しめる作品になると思います。



プライベートについても聞かせてください。恒松さんらしい休日の過ごし方を教えてください。
基本、インドアで、部屋でものづくりをすることが好きなんです。裁縫や手芸とか、最近は編み物にハマっていて、服やスカートを作っています。海外ドラマを観ることも好きなので、ドラマを観ながら編み物をしていることが私の休日の過ごし方です。
最近、作られた編み物で自信作は何でしょうか。
レースの白いスカートです♪ 実はまだ完成していなくて、今日もここに来る前、家で20分くらいの時間があったので、その白いスカートを編んでいました。本当にもうちょっとで完成しそうなんです。できれば今日、完成させてこの撮影現場に履いて来たかったんですけど、間に合わなくて……。明日、完成しそうです(笑)。あとはSNSにも載せているのですが、初めて編んだセーターです! 棒編みで、黄色と青のものです。それが最近の自信作です。
>>Instagram掲載の白いスカート
手芸や編み物で、最終的に将来こんなことができたらといった目標はありますか。
母が編み物の得意な人で、子どもの頃から私の洋服を作ってくれていたんです。同じように自分にも子どもができたら洋服を作ってあげたいですね。それこそ、孫にも作ってあげたいです。あと先日共演させていただいた女優さんが、やはり編み物をしている方だったんです。その方はお子さんのために毛糸で編んだ絵本を作られたんです。それを聞いて、私もいつか編み物でできた絵本を自分の子どもに作ってあげたいと思いました。
世界に一つだけですし、ずっと残りますし、すごく良いですね。
その毛糸で編んだ絵本は、組み立て直すとブランケットにもなるんです。それを聞いてますます、作ってみたくなりました。
今、恒松さんの中で流行っているものや、推し活のようなものはありますか。
推し活は「魔法つかいプリキュア!」です!(笑)。でも、放送が終わってしまったので、最近はあまりグッズを買えていないんです。ただ最近「わんだふるぷりきゅあ!」にも出ているキャラクターたちが、「ぷちきゅあ」としてグッズを出しているので、今はそのガチャガチャをたくさん回しています!
恒松さんの部屋はやっぱりそういう感じですか(笑)
はい、そうなんです。どんどんグッズが増えて、どうしたら良いのかわからなくなっています(笑)。あと「痛バッグ」づくりにハマっています。プリキュアだけじゃなくてアメコミも好きなので、「パワーパフガールズ」で痛バッグを作ったらどうなるんだろう、と思いながら自作しています。私はピンクキャラで通しているので、仕事の現場とかにも持っていきます(笑)。初日はみんなにびっくりされることが多いのですが、2日目以降はみなさん受け容れてくださるので、いつも現場に持って行くようにしています。
それでは最後、改めて映画『きさらぎ駅 Re:』を観に行かれる方にメッセージをお願いします。
前作を観てくださったみなさんのおかげで今回、続編となる『きさらぎ駅 Re:』ができました。ありがとうございます。子どもでも観られるほど、怖い作品が苦手な方も、本当に楽しめる作品になっています。「春奈」も前作と変わらず力強く描かれていますし、「明日香」も強くなり、二人が新たにバディを組んで敵に向かっていく姿があり、作品の魅力にもなっています。アルマゲドンのように敵に向かっていくシーンも見どころです(笑)。「明日香」と「春奈」が一緒に強くなって物語の謎の解決に向けて取り組む姿は見逃さないでほしいです。前作以上に「きさらぎ駅」を好きになる作品です。ぜひみなさん、ご覧になってください。


【映画情報】
きさらぎ駅 Re
2025年6月13日(金)
ヒューマントラストシネマ渋谷、イオンシネマほか全国ロードショー
<作品紹介>
2004年1月8日、『はすみ』と名乗る女性がこの世に存在しない「きさらぎ駅」という異世界駅に辿り着いた体験を匿名掲示板『2ちゃんねる』に投稿したことをきっかけに、ネットミームとして普遍的な人気を誇る『きさらぎ駅』。2022年6月には映画「きさらぎ駅」が公開され、ネットや口コミで大流行、スマッシュヒットを果たし、社会現象を巻き起こした。そして…遂に!前作のその後を描く新作続編「きさらぎ駅 Re:」が誕生。
<ストーリー>
3年前、異世界「きさらぎ駅」から奇跡の生還を果たした宮崎明日香(本田望結)。しかし、彼女の外見は20年前のまま――その異質な存在は、世間の冷たい視線と疑念に晒されることとなった。孤独と絶望に沈む明日香の前に現れたのは、ドキュメンタリーディレクターとして名を馳せる角中瞳(奥菜恵)。この運命的な出会いが、明日香の心に新たな決意を芽生えさせる。かつて命を懸けて救ってくれた堤春奈(恒松祐里)、そして異世界に取り残された者たち――彼らを助けるため、明日香は再び「きさらぎ駅」へと足を踏み入れる。果たして、彼女を待ち受けるのは救済か、それともさらなる絶望か。前作を凌駕する衝撃の展開に、あなたは息を呑む――!
<キャスト>
本田望結
芹澤興人 瀧七海 寺坂頼我 大川泰雅 柴田明良 中島淳子
奥菜恵 / 佐藤江梨子
恒松祐里
監督:永江二朗
脚本:宮本武史
主題歌:弌誠「ガタゴト」(VAP)
企画・制作:キャンター
配給:イオンエンターテイメント
製作:「きさらぎ駅 Re:」製作委員会
©︎2025「きさらぎ駅 Re:」製作委員会
▶公式サイト
▶公式X
▶公式Instagram
▶TikTok
【プロフィール】
恒松祐里 Yuri Tsunematsu

1998年生まれ。東京都出身。身長:158.5cm。趣味:羊毛フェルト。アミューズ所属。 2005年ドラマ「瑠璃の島」で子役デビュー。その後、2009年『キラー・ヴァージンロード』で映画デビュー。映画『凪待ち』(19)でおおさかシネマフェスティバル2020新人女優賞を受賞。前作の映画『きさらぎ駅』(22)にて映画初主演を果たす。 近年の出演作は映画『アイネクライネナハトムジーク』(19)、『スパイの妻』(20)、『タイトル拒絶』(20)、『Gメン』(23)、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(21)、Netflixオリジナルドラマ「全裸監督 シーズン2」(21)、「私の死体を探してください。」(テレビ東京/24)、「わたしの宝物」(フジテレビ/24)などがある。
▶公式Instagram
▶公式X
▶公式サイト
