今もっとも話題を集めているドラマ、TBS日曜劇場『半沢直樹』。その主人公・半沢直樹を演じる堺雅人の部下の銀行員・田島春役を好演する入江甚儀。インタビューでは、芝居に対するひたむきな姿勢と、人気ドラマシリーズへの抜擢で注目を集める27歳の素顔に迫りました。本作への意気込みや撮影現場でのエピソードのほか、休日の過ごし方などプライベートについても披露してくれました。インタビューからは彼の誠実な人柄と、充実した俳優生活が伺えます。
photo_Kei Katagiri(Linguafranca L.L.C.)
text_kukka tokyo 編集部
入江さんの役どころを教えてください。
東京中央銀行の営業第二部に在籍し、堺雅人さんが演じる上司の半沢次長と一緒に帝国航空の経営再建に従事する田島春を演じています。半沢次長のサポート役でもあります。部下ではありますが、目上の方を前にしても動じない発言するなど、個性あるところも田島の魅力です。
“従順で素直な部下”だけで終わらない個性を持った役どころなんですね。
はい。堺さんともお話したのですが、相手が言われたくないことをズケズケと言ってしまうところとか、案外、半沢に近い性格かもしれないですね(笑)。
銀行員という堅い役柄ですが、演じる上で意識されたことはありますか。
職業柄、専門用語が多いので、台詞は聞き取りやすい上に早く話すことを意識していました。また役柄上、堺さんとご一緒させて頂くことが多いのですが、とにかく半沢次長の台詞量が膨大なんです。その膨大な台詞にも関わらず、堺さんが演じる半沢次長の喋りは、聞きやすいですし、リズム感も心地よくて、現場にいて思わず聞き入ってしまうほどです。
やはり堺さんとご一緒するシーンが多いと思うのですが、何か感じ取ることはありますか。
堺さんは、現場でずっと休まずに台詞の練習をされていたり、発声の基礎練習をされているんです。そんなひた向きな姿勢を見ていると、役者として第一線で活躍している堺さんのコツコツと積み上げた努力があってやっと結果が繋がるんだと強く感じました。血の滲むような努力あっての半沢の演技があることを目の当たりにして、とても刺激になりました。だから、今は芝居をすることがすごく楽しいです。堺さんをはじめ、ドラマに出演されている方々との仕事ができるのは幸せですし、自分が望んでいたことが今、仕事として叶っているんですから芝居が楽しくて仕方ありません(笑)。
撮影現場の雰囲気はいかがですか。
監督が福澤克雄さんで、その福澤さんが率いるチームで撮影しています。私自身、監督とご一緒させていただくことが今回で3回目になるので、個人的には大家族のもとに帰ってきたような安心感の中で撮影できています。アットホームな雰囲気ですし、監督自身がパワーのある方なので、活気があって楽しい現場です。
出演が決まった時にどなたか、例えばご両親などに報告されましたか。
いえ、誰にも報告しませんでした。ファンの方が知るタイミングで両親も知ったと思います。出演が決まったことを楽しみにしてほしいので、サプライズな意味も込めて内緒にしておきました(笑)。ドラマを観た母から、「半沢さんの隣りにいてすごいね」と連絡がありました(笑)。
監督の福澤さんからは何かの役に対する指導やアドバイスはあったのでしょうか。
社会派ドラマということもあって、普通のドラマに比べて台本が圧倒的に分厚いんです。台詞の量も多いので、普通に喋っていたら時間内に終わらない量です。なので、台詞はとにかく早く話すことが大前提だと言われました。あと、江口のりこさんが演じる白井国土交通大臣が第4話で「い・ま・じゃ・ない」とアナウンサーや国会議員を模した演技をしたシーンがあったんです。リハーサルの時に、思わず笑ってしまったら、監督から本番でも「笑っていい」と言っていただいて、そこから何か田島という役のポイントが見えたところもあり、吹っ切れて演じられています。
今後ますます、見どころの多い展開だと思いますが、入江さんご自身にとって注目して欲しい見どころを教えてください。
前作では常務との対立、今作の前半では親会社と子会社での対立。そして今回の対立先は「国」が相手。ですが、その国であっても半沢さんが一歩もひるまずに、真っ向正面から向かっていく姿が観ている方々にはたまらないと思います。私自身としては、その緊迫したドラマの中でも良い抜け感を出せたらと思っています。半沢さん、大和田常務の険しい表情の演技が続く中、どこか僕の芝居がドラマのスパイスのような存在を出せたらと思います。
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仕事以外、普段のプライベートについても聞かせください。まずは、お休みの日の定番な過ごし方を教えてください。
朝起きたら、まずはオートミール茶漬けをいただきます(笑)。最近はオートミールにはまっていて、毎日食べています。もともと体を鍛えるのが好きで、色々調べていくうちにオートミールのお茶漬けにたどり着きました(笑)。オートミールは麦などが入っていて健康的な分、味があまりないので、自分で鮭フレークを加えたりして楽しみながら食べています。食事を終えたら、筋トレをしたり、走ったりして、汗をかいてスッキリしています。気分が乗った時は家で料理を作って、あとは寝る前にハイボールを1杯だけ飲んだりします。
ファッションのこだわりを教えてください。
体が大きいこともあって、セレクトショップで買い物をするとサイズが合わないことが多いので、よく古着屋さんに買いに行きます。今日の服も全部、古着なんです。体を鍛えているので、余計にサイズが合わなくなってしまうことがありますね。
髪やスキンケアなどで、気をつけていることはありますか。
常に気をつけているのは、食事ですね。やっぱり食べ物って大事だなと思っているんです。
具体的に気をつけていることがあれば教えてください。
お菓子やジュースとか、砂糖を摂らないようにしています。撮影の現場で食べたいお菓子があってもなるべく見ないようにしています(笑)。逆に、摂るようにしているのはサプリメントですね。
女性ファンも多いと思うので、ぜひ好きな女性のタイプを教えてください。
自分が知らないことを知っている女性には惹かれますね。極端に言えば“何を考えているか分からない女性”ですかね(笑)。多分、何を考えているんだろう、と思った時点で相手に興味を僕が持ってしまっているんでしょうね(笑)。あと、「笑いのツボが合う子」が良いですね。ここ重要です!
また今回のドラマで女性ファンが増えそうですね。
ファンになって頂けるなら、みなさん、誰でも歓迎です(笑)。
最後に今後の目標を聞かせください。
この仕事が大好きなので、おじいちゃんになるまで続けていくことが目標です。俳優の仕事は面白くて、歳を取って年代が変われば変わったで、また新しい役を演じることができるんです。だから、これからもますます楽しみですね。「続ける」ことは簡単なようで、難しいことだと思います。ですが、続けることで、結果もついてくると思っています。
Favorite Item
01_フィルムカメラ
フィルムの質感が好きで自分も撮ってみたいなと思い始めました。人物を撮りたいのですがなかなか機会が無いので風景ばかりになってしまいます。
02_リング
一年前くらいに、占い師に転機がこれから訪れると言われラッキーアイテムがターコイズだったので、古着屋で購入しました。
プロフィール
入江甚儀(いりえ・じんぎ)
1993年5月18日、千葉県出身。183cm、O型。趣味:音楽鑑賞、絵を描くこと、特技:空手・バスケットボール。2007年12月、研音グループ新人オーディションに合格し、翌年1月に研音へ所属。同年、ドラマ『絶対彼氏 〜完全無欠の恋人ロボット〜』で俳優デビューを果たす。2014年5月公開の『キカイダー REBOOT』で映画初主演を飾る。現在、大河ドラマ『麒麟がくる』では前田利家役を演じるほか、2020年12月には舞台「両国花錦闘士」が控える、人気と実力を兼ね備えた若手俳優として注目を集めている。
日曜劇場 『半沢直樹』
TBS系列 毎週日曜21時~放送
IT企業・スパイラルの買収劇をめぐり、電脳雑伎集団の粉飾を突き止めた半沢直樹(堺雅人)は、東京 中央銀行を救った立役者として本店への復帰を果たした。だが復帰早々、中野渡頭取(北大路欣也)から 直々に破綻寸前の帝国航空の再建を任される。 帝国航空は日本の空輸を担い、まさに国を代表する大企業だが、近年の経営状態は決して芳しくない。しかし、労働組合やOBの力が強いため大胆な改革もままならず、もはや身動きが取れなくなっていた。 そんな矢先、新たに国土交通大臣に就任した白井亜希子(江口のりこ)が会見で帝国航空の大胆な改革を 華々しく提案する。彼女によれば、弁護士の乃原正太(筒井道隆)をリーダーとした直属の再建チーム「帝国航空再生タスクフォース」を立ち上げ、帝国航空に債権を保有しているそれぞれの銀行に、一律7割の債権放棄を検討しているという。もしこのプランが実現すれば、東京中央銀行はおよそ500億円もの債権を手放さなければならなくなってしまう。半沢は何としても帝国航空を自力再建させるため、帝国航空へと乗り込むが、そこには一筋縄ではいかない巨大な壁が待ち受けていた。
<出演者>
半沢直_樹堺雅人
半沢花_上戸彩
渡真利忍_及川光博
黒崎駿一_片岡愛之助
森山雅弘_賀来賢人
乃原正太_筒井道隆
白井亜希子_江口のりこ
谷川幸代_西田尚美
山久登_石黒賢
田島春_入江甚儀
曾根崎雄也_佃典彦
苅田光一_丸一太
笠松茂樹_児嶋一哉
的場一郎_大鷹明良
○
花の同僚_吉田羊
○
銀行イメージキャラクター_夏目三久
ナレーション_山根基世
○
女将・智美_井川 遥
神谷巌夫_木場勝己
紀本平八_段田安則
箕部啓治_柄本 明
中野渡謙_北大路欣也(特別出演)
大和田暁_香川照之
<スタッフ>
製作著作_TBS
原作_池井戸潤
「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」(ダイヤモンド社) 「半沢直樹 3 ロスジェネの逆襲」「半沢直樹 4 銀翼のイカロス」(講談社文庫)
脚本 丑尾健太郎 ほか
演出_福澤克雄 田中健太 松木 彩
プロデューサー_伊與田英徳 川嶋龍太郎 青山貴洋