大前粟生の小説『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』が映画化され、4/14(金)から公開になります。メインキャストとして出演する女優「新谷ゆづみ」さんにインタビューしました。元さくら学院の生徒会長にして、映画『麻希のいる世界』『マイスモールランド』『わたしの見ている世界が全て』など話題作へ次々と出演を果たす演技派女優です。 彼女が演じたのは、ぬいぐるみサークルに所属する「白城ゆい」。ゆるさ全開のサークルでひとりしっかり者の「白城」を完璧に演じた彼女。19歳に思えないほどの落ち着きある話し方と、すべてに素直な純粋さ。そんな誰とでも仲良くなれそうな「新谷ゆづみ」さんに、映画のことはもちろんプライベートな話も聞いてみました。

Photo:Arakat
Style:世良 啓
Hair & Make up:坂本志穂
Text:kukka編集部

演じられる「⽩城ゆい」はどのような印象ですか。

周りの子たちよりも大人っぽい印象で、ごく普通な大学生活を送るように見える女子大生だと思っています。

意識して臨んだことは何かありますか。

大人っぽく見えるようにということが一つ。あとは何かをいつも感じているんだろうな、という雰囲気を彼女から出したいとずっと思っていました。

そういった「白城ゆい」のキャラクターは自身と照らし合わせて通ずるところはありますか。

「白城」の感情は普段の私があまり持たない感情でした。私にはあまりサッパリしたところがなくて、一つひとつのことに立ち止まって考えがちなんです。大人っぽい「白城」よりは、私自身はまだまだ「七森」に近いなと思っていました(笑)

出演者の中に、過去に共演されたことのある方はいましたか。

駒井さんとは何度か共演させて頂くことがあって、二人して「なんだか縁を感じるよね」と話をしていたんです。細田さんとは同じ事務所なのですが、意外にも今回初めてご一緒させていただきました。

同世代の方が多い現場だったと思います。どのような雰囲気でしたか。

すごくリラックスした雰囲気の現場でした。部室にみんなでいる時も、“ぬいぐるみ”の話をしていたり、たくさん飾られた“ぬいぐるみ”の中から、みんなでお気に入りを探したりしていました。あとプライベートでカメラを持参していたので、みんなで写真を撮り合っていました。

スマホではなくカメラで撮っていたんですね。

はい、フィルムのカメラなんです。私のほか「藤尾」役の上大迫さんも持って来ていたんです。その時に撮った写真が今ではすごく思い出になっています。それと上大迫さんの写真が素晴らしかったです!

部室には、すごい数の“ぬいぐるみ”がありましたね。

そうなんです。いっぱいありました♪ こんなに“ぬいぐるみ”に囲まれたセットを観ることがなかなか無かったので感動的でした。

ちなみに、新谷さんお気に入りはどのような“ぬいぐるみ”でしたか。

柏餅の葉の“ぬいぐるみ”があって、それがお気に入りでした(笑)

あれだけの数の“ぬいぐるみ”を集めるスタッフさんも大変ですよね。

各地から集めたそうです。

新谷さんの部屋には“ぬいぐるみ”はありますか。

はい、あります♪ 私が幼稚園に通っていたまだ小さい頃に、大阪の海遊館で祖母に買ってもらったペンギンとアザラシの“ぬいぐるみ”です。ペンギンは、もともと“かまくら”に入っていたんですが、いつの間に“かまくら”がどこかに行ってしまって……。今はペンギンがむき出しになった状態でいつも部屋にいます(笑)

長い付き合いになった“ぬいぐるみ”たちですね。部屋のどこに飾っているんですか。

枕元にいます♪ 長い付きです(笑)

まさか名前は付けていないですよね??

「ペンちゃん」と「ゴマちゃん」です!(笑)

(笑)

本作のテーマのひとつでもある「やさしさ」について聞かせてください。新谷さんが考える「やさしさ」とはどんなものでしょうか。

相手に寄り添えるかどうか、だと思っています。何か言葉を言うのではなく、どう寄り添えるかどうかなのかなと思いました。

まだ新谷さん10代なんですね。すごく話し方がしっかりされているので、もっと大人に感じてしまいます。

わたし10代なんです……よね?(笑)

プロフィールに偽りないですよね?(笑)

はい、ないです(笑)

今作で自身が俳優として、一番経験を積めたと感じられたのはどのようなことでしょうか。

役柄ではなく、私個人として、気付かされることの多い作品でした。“やさしさ”について、考えても考えても答えはなかなか出ないものですが、深く考えさせてもらう機会をもらうことができました。この作品に出会えたことで、人としても成長できたのかなと思います。

演じられた「白城ゆい」役の、ぜひここに注目して観て欲しいシーンはありますか。

ぬいぐるみサークルにいる時の「白城」は、いつもよりもやさしいんです。でも「七森」とぶつかってしまうんです。お互いに興味がなかったらぶつかり合うことはないと思うんですが、「白城」も「七森」もお互いに興味がるからこそ、ぶつかり合ってしまうんだと思うんです。だから「七森」と口論になる場面は、とても大事なシーンだなと思っています。

新谷さんが思う俳優として自身の強みはどういったものだと分析されていますか。

自分自身ではあまり感じていなかったのですが、「声」がいいねと言ってもらうことが増えました。それがすごく嬉しかったのを覚えています。褒めてもらうことは、大事にしていきたいと思っています。

―――――――――――――――――――――

プライベートについても話を聞かせてください。休みの日は何をされていますか。

最近は、サウナです♪ 家の近くにサウナがあるのですが、そこにばかりに行っています。

サウナでのマイルールはありますか。

サウナルームでは上段の熱い方に座って、3回以上は必ず入りますね。私が行っているところは、地元のお母様たちが来られるところなんです。「あそこの誰誰さんが~」と話をされているのを聞くのも地元感があってとても楽しいです(笑)

では時間ができるサウナでリフレッシュされているんですね。

はい。あと最近はよく古着を買いに出かけたりします。

どこの街で買い物をされることが多いですか。

下北沢が多いですね。古着屋さんがたくさんあって好きな街です。

それでは最後に、映画を観てくれる方々にメッセージをお願いします。

原作も含めて、この作品に出合って私は「やさしさ」について改めて考えさせられたと思います。正解がないことでもあるので。自分の中にある「やさしさ」を大切にし、自分らしく素直にみんなが生きられたらいいなと思えました。自分なりの「やさしさ」を見つけられたらいいなと思います。自分と違う誰かと接した時に、自分がどう接しているか、改めて考える機会になってくれたら嬉しいです。


【映画情報】

公開日:2023年4月14日
新宿武蔵野館、渋谷 ホワイト シネクイントほかロードショー
4月7日(金)より京都シネマ、京都みなみ会館にて先行公開

映画『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』

『21世紀の女の子』『眠る虫』で注目を集めた金子由里奈監督による長編商業デビュー作にして、「おもろい以外いらんねん」「きみだからさびしい」をはじめ繊細な感性で話題作を生み出し続けている小説家・大前粟生氏にとって初の映像化作品。『町田くんの世界』以来の映画主演作となる細田佳央太、『いとみち』の駒井蓮、『麻希のいる世界』の新谷ゆづみをはじめ、フレッシュなキャストが競演。京都のとある大学の「ぬいぐるみサークル」を舞台に、”男らしさ”“女らしさ”のノリが苦手な大学生・七森、七森と心を通わす麦戸、そして彼らを取り巻く人びとを描く。

<出演>
細田佳央太 駒井蓮
新谷ゆづみ 細川岳 真魚 上大迫祐希 若杉凩
天野はな 小日向星一 宮﨑優 門田宗大 石本径代 安光隆太郎
原作:大前粟生「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」(河出書房新社 刊)
監督:金子由里奈 脚本:金子鈴幸 金子由里奈
音楽:ジョンのサン 主題歌:わがつま「本当のこと」(NEWFOLK)
製作・配給:イハフィルムズ
公式サイト https://nuishabe-movie.com
© 映画「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」


【新谷ゆづみ プロフィール】

新谷ゆづみ(しんたに・ゆづみ)。2003年7月20日生まれ。和歌山県出身。157cm。O型。特技:ダンス。アイドルグループ・さくら学院の元メンバー。2019年3月にさくら学院を卒業後、女優業を中心に活躍中。主な出演映画作に初主演作品の2022年『麻希のいる世界』、『マイスモールランド』、2023年『わたしの見ている世界が全て』など。今後、映画や舞台など待機作が数多く控え、活躍が期待されている若手女優。
所属:アミューズ。

公式Instagram:@yuzumi_shintani

公式Twitter:@shintaniyuzumi

公式サイト:https://www.amuse.co.jp/artist/A8667/index.html

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