音楽を始めて10年、若干20歳にしてアーティストとしても数々の経験を積み重ねてきた三阪咲。2月に新曲「tamerai」をリリースし、3月31日(日)にはEX THEATER ROPPONGIでのワンマン・ライブを直前に控えた彼女。新曲の制作エピソードのほか、ライブへの意気込みについて、インタビューに応えてくれました。「経験」と「若さ」を併せ持つ20歳の彼女だからこそ生み出せる音楽、これからも楽しみにできるものと期待でいっぱいです。自他ともに認めるサッカー・プレミアリーグ好き。そんなプライベートについても話を聞かせてもらいました。

Photo & Text:kukka編集部

新曲『tamerai』について、話を聞かせてください。まず歌詞全体として、どのようなメッセージを込めて作られたのでしょうか。

昨年の夏頃に昭和の曲をよく聴いていた影響もあって、デモを発注する段階から、昭和のレトロポップさを感じる曲をお願いしていました。その時、上がってきたデモの仮タイトルに「ためらい」と記されていたんです。私が詞を書く時は、いつもデモのタイトルから離れた言葉で歌詞を書くことが多いんです。ただ、その時に見た「ためらい」の言葉が私の中でとてもしっくり来て、「めっちゃ、いい!」と素直に思えたんです。そこからタイトルの「ためらい」に合う歌詞を書くことに決めて、いつもの作詞とは違って「ためらい」という言葉から話を広げて歌詞を作りました。

歌詞を読んで、まず思ったのが、英語が全くないことです。日本語のみの歌詞であることは何か意識をされたのでしょうか。

昭和の曲は日本語が多いこと、またストレートな詞が多いことのほか、表現の仕方がすごく良いなと感じています。言葉にすると、素朴で垢抜けていない様子を指す「いなたい」感じを意識しました。

作詞では、普段から気になった言葉をメモされているのでしょうか。

時期にもよりますが、ワード集めをする時期もあります。リリースが多くあるような時にはワード集めをしておかないと大変になりますね。毎回、良いワードが降って降りて来ることは無いので(笑)。今回の「tamerai」は短期集中型で、その時の気持ちを歌詞に乗せて書きました。

80年代をはじめとするレトロポップな昭和ソングにハマったとのことですが、中でもお気に入りのアーティストはいたのでしょうか。

一番聴いていたのは、杏里さんで「悲しみがとまらない」の入ったアルバムをものすごく聴いていました。あとは泰葉さんの「フライディ・チャイナタウン」とか、たくさんの曲を聴いていました。松本伊代さんの「伊代はまだ16だから~♪」(「センチメンタル・ジャーニー」)も聴いていました(笑)

親世代の曲をかなり聴かれていたんですね。

最近は早いテンポの曲が多いのですが、昭和ソングをよく聴いていた時の私はかなりゆったりした曲を聴きたい時期でもあったんです。そのゆったりした居心地良さにハマったのかも知れないですね。

「tamerai」のイントロが約15秒もありました。これは最初のデモ段階から、このくらいの長さだったのでしょうか。

はい、そうです。今までの曲は、最初のデモからアレンジしていき変化することが多くありました。でも、今回の「tamerai」はデモの段階からあまり変わっていない珍しい曲なんです。それだけデモ段階から気に入っていたんだと思います。また、この曲は良い意味で、ある種“ダサいかも”と感じる部分が、かえって格好良く思えて、私にはとても心地良かったんです。耳に残る感じがすごく良いんですよね。

曲のタイトルだけが英字で「tamerai」になっています。こちらは何か意図することがあったのでしょうか。

曲名の案には「ためらい」や「Tamerai」もありました。ただ、私の中で一番“いなたくて”、曲の雰囲気とも合う「tamerai」に決めました。この曲タイトルから、イントロで流れる曲調のギャップも良いなと思って付けました。

ジャケットも気になるビジュアルですね。

ジャケットに関するSNSでのメンションも多くて、ファンの方々に注目されていることを実感しています。試行錯誤したデザインで、遊び心を散りばめたジャケットになっています。

「tamerai」ジャケット写真

うまく気持ちを表現できたなと特に思う歌詞はどのあたりでしょうか。

「お揃いのマフラーに頬が誘われたらホントに春は来るの?」や「夜は息が詰まるほど溢れる⾔葉並べていた」は好きな歌詞ですね。素直な気持ちが表現できたと思います。

曲名にかけて最近、三阪さんが「ためらわれたこと」を教えてください。

恋愛に関しては、本当にためらったことが無いんですけど(笑)。普段の生活だと……、先日スーパーで売っていたイチゴが800円ちょっとしていて、買うのをためらいました(笑)

800円のイチゴはかなりいい値段しますね。

500円くらいなら買ったのですが、結局、ためらって買いませんでした。でも結果的には良いためらいで、次の日もスーパーに行ったら、別のブランドでしたけど500円くらいのが並んでいたんです。迷わずに買いました(笑)

確かに、ためらって正解でしたね。

あと、お酒が好きでワインをよく飲むんです。この間、2本目に行こうとしたのを1本で止めた「ためらい」もありました(笑)

貴重なお話、ありがとうございます(笑)

――――――――――――

3月31日に「EX THEATER ROPPONGI」で開催されるワンマン・ライブ『SAKI MISAKA ONE MAN LIVE 2024 “一心同体メモリーズ”』について話を聞かせてください。

過去にコロナ禍で予定されていたライブが中止になった会場が、この「EX THEATER ROPPONGI」だったんです。その後、行われた配信ライブではこの場所で歌わせて頂いたのですが、有観客では今回が初めてになるんです。私にとても思い入れのある会場でのライブです。「EX THEATER ROPPONGI」は、縦はキュッとしていて横に広い会場なので、みなさんをすごく間近に感じられる場所です。

ライブでここはぜひ楽しみにして欲しいポイントを教えてください。

最初から飛ばしていく予定なので、当日来られる方はしっかり準備体操をして来てください(笑)。あと過去一番、曲数のあるライブになると思うので、全曲楽しんでもらえたらと思います。

MCも楽しみにしている方が多そうですね。

はい。ただMCで喋り過ぎると、曲数も多いので時間の配分を注意しないといけないですね(笑)

3月31日のライブ以降、次のステップで考えられていることがあれば教えてください。

10年以上音楽活動を続けていると、「何かをしなきゃいけない」「お客さんを楽しませなきゃいけない」といった感情がどうしても出てきてしまうことがあったんです。でも、最近は思考が変わって、「私はまだ20歳でもある」と思えるようになったんです(笑)。周りの友人はまだ学生の子も多い中で、10歳から10年も続けて来たこともあって少し変な感覚になっていたんです。まだまだアウトプットする年齢じゃないというか、もっとインプットすることを続けようと素直に思えたんです。まだ私はそういうインプットする年齢なんだと、最近ようやく思えるようになりました。人生も、音楽も、まだまだいろいろな挑戦や失敗を繰り返して良い時期だし、楽しくワクワクするようなことをできる一年にしていきたいと思っています。

10年の貴重な経験を積み重ねて生まれた気持ちだから、大事にしたいですね。

10年かかってしまったなと思うこともあれば、10年やってもまだ20歳かと思うこともあるんです。いまは音楽活動もひとりの人としても境目にいるような気持ちでいます。東京でひとりの生活をしていると切羽詰まることもあるんです。でも成人式で大阪に帰った時に地元の友だちと会っていたら「みんなまだまだ子どもだ!」とも思えたんです(笑)。だから自分も大人ぶらずに、子どもの気持ちもあって良いんだと素直に思えましたね。そういったウブな気持ちを忘れてはいけないなと思いました。音楽もこれからますます攻めて行きたいですね。

――――――――――――

三阪さんのプライベートに関しても教えてください。予定のない、丸一日お休みの日は何をして過ごしますか。

私はサッカー・イングランドのプレミアリーグが大好きで、毎日「SPOTV NOW」を観ているんです。マンチェスターシティのファンなので「シチズン(ファンの愛称)」です♪時差の関係で、朝5時にキックオフする試合もあるので、試合の終わる朝7時に寝て昼頃に起きることもあるんです(笑)。また、友だちとウイニングイレブン(サッカーゲーム)をして過ごすこともありますね。

サッカー三昧なお休みですね。

そうなんです(笑)。ゲームはサッカー以外にもシューティングゲームの「APEX」もします。インドア派なので、ゲームや編み物など、部屋の中で過ごすことが多いですね。

編み物もされるんですね。最近は何か編まれましたか。

バケットハットやイヤーマフラーです。

プレミアリーグもいつか現地で観戦できると良いですね。音楽活動でイギリスツアーや海外進出した際には、隙を見てプレミア観戦はいかがでしょう。

ちょっとシティを観に行ってきます、と言ってリハーサルを抜けたり(笑)。それは夢ですね。いつかシティのグラウンドでファンのみなさんと一緒に歌を披露できることができたら幸せですね。

プレミアリーグを好きになったきっかけは何かあったのですか。

高校一年生の時に、高校サッカーの応援ソングをやらせて頂き、それからサッカーをよく観るようになったんです。ライブ衣装でスタイリストさんが用意してくれたサッカー選手のユニフォームから自分でもその選手について調べたりもしました。そんなことをしていたら、どんどんハマってしまって。最近では詳しくなり過ぎて、まだ注目されていないこれからの若手選手の名前や特徴も言えるようになってしまいました(笑)

仕事以外での今年、やってみたいことがあれば教えてください。

ヨーロッパ旅行で、マンチェスターシティの試合も観たいですし、ファッションも好きなので、洋服のデザインなどにも挑戦したいと思っています。

ありがとうございます。それでは、最後に3月31日のライブ『SAKI MISAKA ONE MAN LIVE 2024 “一心同体メモリーズ”』への意気込みをお願いします。

昨年8月以来のワンマンライブになるので、今からすごく楽しみにしています。会場に来られるみなさんとの一体感で良い思い出を作りたいですね。これまで何度も足を運んでいただいた方も、初めてライブに来られる方も、一緒に楽しめるライブになったらと思っています。みなさん、ぜひ楽しみにしていてください!


【ライブ情報】

Saki Misaka One-Man Live 2024 at EX THEATER ROPPONGI

『SAKI MISAKA ONE MAN LIVE 2024 “一心同体メモリーズ”』

日程:2024年3月31日(日)
会場:東京・EX THEATER ROPPONGI
時間:開場16:00/開演17:00
チケット料⾦: 5,500円(税込)1ドリンク別

<各種プレイガイド受付URL>
イープラス:https://eplus.jp/sakimisaka/
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/sakimisaka-2024/
ローソンチケット:https://l-tike.com/misakasaki/


【プロフィール】
三阪 咲  Saki Misaka

2003年4月23日生まれ。大阪府出身。 SNSをきっかけに注⽬を集め、⾼校サッカーのテーマソングや、恋愛リアリティーショーのテーマソング等を務めるなど、今、Z世代・若年層を中⼼に注⽬を集める⼥性シンガー。ジャンルに捉われず、幅広い楽曲を歌いこなすソウルフルかつ突き抜けるような歌声と、観た⼈全てを魅了する圧倒的なライブパフォーマンスを武器に、幅広い世代の⼈々に愛されるアーティストを⽬指している。

X(旧:Twitter)  @saki_misaka0423
Instagram   @misaka_saki
TikTok    @saki_misaka423
YouTube   @Official Artist Channel
公式サイト https://sakimisaka.com/


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