子役時代から高い演技力で数多くの作品に出演してきた女優・杏花。現在放送中の月9ドラマ「海のはじまり」では、有村架純が演じる「百瀬弥生」の後輩で明るくポジティブな性格の「三谷彩子」役で出演する。また、清⽔尋也×⾼杉真宙のW主演で注目が集まる、今年11月公開映画『オアシス』では、念願の本格アクションに初挑戦! ストイックなまでの練習を重ね、圧倒的なキレのあるアクションで、見事にアクション女優の仲間入りを果たした。そんな今もっとも話題作から求められる存在へ進化する女優・杏花に、出演作品のほか、プライベートについても話を伺ってみました。

Photo:望月宏樹
Text:kukka編集部

有村架純さんが演じる「百瀬弥生」さんと同じ会社で働く後輩「三谷彩子」を演じています。柔軟な考えを持った女性で、周りの状況に合わせて自分をうまく立ちまわせることのできる印象です。周囲に合わせられる点では、私自身にも近い役かもしれません。「彩子」は先輩からも可愛がられるし、きっと後輩からも慕われるであろう存在です。親近感も持たれるキャラクターだと思います。

やり易いとかは無いのですが、自分と近いキャラクターの方が、何てことのない会話や何気ないシーンを演じる時に、思いの外、難しいと感じることはあります。逆に自分と全然違う役は演じていて、すごく楽しいです。

原作のある作品の場合、見た目も含めて原作に寄せるパターンもありますし、表情や動きも原作を見ながら、それに近いことをする時もあります。オリジナルの場合はやはりイチから自分たちで作らないといけないので、その点では難しいこともあります。ただ、その場で生きている人間を演じることにどちらも変わらないので、大きな違いは無いと感じています。

少し重いテーマの作品ですが、撮影の現場は和気藹々とした雰囲気なんです(笑)。特にオフィスのシーンでは暗い話題はないので、スタッフさんたちのチームワークも含めて、良い雰囲気で楽しく撮影しています。

初日から役に向き合う姿勢がものすごく、監督とディスカッションしていく中で役を見つけられているように感じました。少しでも気になる点があると監督の元へ行ってお話をされている姿が印象的です。ドラマを観ると「百瀬」さんにしか感情移入ができないほど有村さんの演技に引き込まれてしまうんです。特に日常の何気ない会話をするお芝居に惹かれます。役者さんとしても尊敬できる方ですし、役と重なる部分がそこにもあるのでは、と感じさせてくれる存在です。

ドラマ自体は生きているすべての人へ向けたメッセージ性ある作品だと感じています。普遍的でありながら、生きていく複雑さのようなものが描かれています。誰もが持っている感情に対して、ドラマが持つメッセージが伝わると良いなと思います。私が演じる「三谷彩子」については、「百瀬」さんに対する憧れや尊敬、仕事に対する向き合い方などをとても尊敬している女性です。その「彩子」が成長していく姿や「百瀬」さんを見つめる視線などに注目していただけたらと思います。

生きることは、すごく複雑で難しいことだと感じています。過去の事実を変えることはできなくなるので、過去と向き合うことで、今の自分を変えることはができるんだと思うんです。たくさんある選択肢の中から、自分が幸せでいられる場所を見つけることって難しいことだと思います。ただ、一緒に悩み、と少し寄り添ってくれる作品だと思うので、この感情をみなさんにも味わっていただけたらと思います。

―――――――――――――

今回はオーディションを受けさせていただきました。

それが全くなくて(笑)。私自身、初めてアクションシーンがある役への挑戦だったので、事前にアクション経験が無いこともお伝えはしていたんです。あとから聞いたのですが、実はプロデューサーの方がアクション経験のない方にこの役をやってもらいたかったと仰っていたそうなんです。

そうかも知れません(笑)。アクションをしなさそうな子が、いざ戦い出してすごく強かったら面白そうじゃないかと思い描いていたようです。

分からないです(笑)。だから、オーディションに合格したと聞かされた時は意外でした。ただ、キャラクターは自分のなかでかなり作り込んでから演じたことを憶えています。

アクション作品にはずっと出たいと思っていました。もともと体を動かすことが好きなのと、アクロバット運動を習っていたので、体を動かすための基礎はできていたつもりでした。今回の撮影では、戦いのシーンが多く、アクションとはまた少し異なった動きもあるので、撮影の1か月前からボクシングとブラジリアン柔術をみっちり習ってから撮影に臨みました。

監督が、「アンナがめっちゃブラジリアン柔術が強かったらカッコ良いよな」と漏らしたのを聞いてですね(笑)

「足技とか、やっていたらいいね」とも話されていました(笑)。アクション監督が持っている道場で実際に練習をさせていただいたので、かなり役に近いトレーニングも練習できました。

映画『オアシス』木村アンナ役

最後の見せ場のシーンは、1カットの長回しで撮影したんです。その仕上がりを観て、がんばって良かったなと心から思えました。実は、撮影の前々日のリハーサルでむち打ちになってしまったんです。針治療をして何とか本番を迎えることができたので、余計に思いが詰まっているシーンです。カメラワークも素敵に撮っていただきましたし、照明もすごくカッコ良い雰囲気にしていただいて、仕上がりを見た時には嬉しかったです。本当に、がんばって良かったなと心から思えました。

そうですね、体づくりは日頃からしています。最近は走っていて、先日もマラソン大会にも出場しました(笑)。動ける体をこれからも維持して、常に準備をしていたいです。

「自由で強い女の子」というのがまず頭の中にありました。例えるなら“猫”みたいなだと思っています。髪色も好きな色にして、タトゥーも入れて、本当に転々と自由に自分のやりたいことだけをやっている子です。高杉さんが演じた「金森」とは幼馴染の設定だったのですが、家族以上の付き合いがありながら、恋愛関係にも決してならない、ある意味、カタチに捉われない人物だと思います。ただ一方で、どこかに孤独を抱えている一面もあり、ずっと支え合ってきた「金森」と離れるのではないか、ずっと自分は独りではないか、そういった寂しさも垣間見られる女の子です。

一旦自由に演じたものを監督に見ていただき、その上でディスカッションをしながら、私の演じたいものに寄せていただいた印象です。役については、撮影前にお話をさせてもらってしっかりイメージを作り、演じました。

みなさん強面ですが、すごく優しい方ばかりです(笑)。あと、みなさんタトゥーを入れている役なので、撮影前の2時間、撮影後の1時間、タトゥーを入れる時間と取る時間があって、何だか新鮮な体験でした(笑)

はい、慣れました(笑)。オール名古屋ロケだったのですが、エキストラではない一般の方で全身にタトゥーのある方も飛び入りで参加されていたんです。それがリアルですごく良い雰囲気を出されていたのを見て、すごい撮影だなと思っていました(笑)

難しいですよね……(笑)

結局、お仕事をしている時が一番の幸せだったりするんです、現場の匂いだったり。

はい(笑)。本当にお芝居している時が一番楽しいので、私の「オアシス」です。

撮休の日も名古屋市内を散策できたので、詳しくなりました。名古屋の美味しいものは食べ尽くしました(笑)

「味仙」の中華です。名古屋に何店舗かあって、兄弟でやられているそうなんですが、お店ごとに味が違っていて、すごく良かったです。とても美味しかったです。

はい♪

――――――――――――――――――――

ラジオを聴くのですが、最近は「霜降り明星のオールナイトニッポン」を聴いています(笑)。あと、最近マットレスを新しく買い替えました。一緒に枕も変えたのですが、睡眠の質が全然変わるほど快適になりました。翌朝、起きた時の顔のむくみ全然違うんです(笑)

1か月弱ですね。今もまだ快適です。

基本的にやろうと思ったことはすぐにやっていくタイプなんですが、ここ2年間くらいやろうと思っていてできていないのは、運転免許を取ることですね。取ったら便利なのはわかっているんですが、取るまでが大変そうで。

仕事だったら絶対に行きます!(笑)

そうですね、楽しみです(笑)

車で旅行に行きたいです。海沿いをドライブしたり。

岩屋監督の記念すべき第一作目の長編映画であり、私もアクション初挑戦の映画です。傷つき、血まみれになりながら、それでも孤独や自分自身と闘い成長していく青春映画になっています。人が孤独を感じたり、自分は何になりたいのだろうと考えたり、そもそも今の自分は何者なんだろう、と抱える感情や恐怖は、普遍的なものだと思うんです。そういったことがある中で、私自身がこの作品を観た時に「あなたは、あなたなんだよ」と言ってくれた気がしたんです。同じように、みなさんの背中を押してくれる作品になれたら良いなと思います。自分自身の中にある「オアシス」を大切にする、そのきっかけにしてもらえたらと嬉しいです。


フジテレビ 毎週月曜21:00から放送中

「海のはじまり」

<出演>
月岡夏:目黒蓮 百瀬弥生:有村架純
南雲海:泉谷星奈 月岡大和:木戸大聖 南雲水季:古川琴音 津野晴明:池松壮亮 三谷彩子:杏花
南雲朱音:大竹しのぶ

<スタッフ>
脚本:生方美久
演出:風間太樹 / 髙野舞 / ジョン・ウンヒ 音楽:得田真裕
主題歌:back number 「新しい恋人達に」
公式サイト
TVer


2024年11月公開 映画

『オアシス』

富井ヒロト(清⽔尋也)と金森(高杉真宙)、そして紅花(伊藤万理華)は幼馴染で青春時代を共に過ごした仲間だったが、ある事件をきっかけにバラバラに人生を歩むことになってしまう。
数年後、社会からはみ出した富井は、ヤクザである菅原組の組員となり、組長(小木茂光)に認められ、組員の中で頭角を現し、いつしかそこが、富井の居場所となっていた。一方、金森は社会から逃げるように荒くれものたちが集まる犯罪組織で自堕落な生活を送り、喧嘩や裏稼業に明け暮れる毎日。菅原組も迂闊に手を出せない程にその名を轟かせていた。
「道が違えば殺し合う-」、そんな世界に身を投じてしまった富井と金森。親友だった2人は、一触即発の敵対関係となっていた。 「ほんのちょっとのことで、すれ違ったのかな…」かつて自分が大切にし、手放したものについて考えを巡らす2人。社会からはみ出してしまい、絶望と一瞬の幸福を味わいながら、アウトローに生きる者達の“青春”と“居場所”の物語。

<出演>
清水尋也 高杉真宙 伊藤万理華 松浦慎一郎 杏花 林裕太 /⻘柳翔(友情出演) 津田寛治 窪塚俊介 /小木茂光
<監督・脚本>
岩屋拓郎
<アクション監督>
⼩原剛
©2024『オアシス』製作委員会

公式X @OASIS_MOVIE2024
公式サイト https://oasis--movie.com/


【プロフィール:杏花】

杏花(きょうか)。1999年8月30日生まれ、東京都出身。158cm。趣味:踊り(クラシックバレエ・タップダンスなど)。特技:ピアノ、声楽。スターダストプロモーション所属。 2007年、ドラマ『名探偵コナンドラマスペシャル「工藤新一の復活!黒の組織との対決」』でデビュー。2014年、映画『瀬戸内海賊物語』で初主演を飾る。その後、2015年に映画『くちびるに歌を』、2023年に『逃げきれた夢』、Netflix『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話』に出演。

公式インスタグラム @kyoka.830_official
公式X @kyoka830_staff
公式サイト https://www.stardust.co.jp/talent/section3/kyoka/



この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事
【泉有乃:インタビュー】5/27(月)から始まるNHK夜ドラ「柚木さんちの四兄弟。」に抜擢された期待の新星! 女優デビューの本作で、“演じることの楽しさ”を実感。初々しくてしっかり者の13歳から目が離せない!
CULTURE
【泉有乃:インタビュー】5/27(月)から始まるNHK夜ドラ「柚木さんちの四兄弟。」に抜擢された期待の新星! 女優デビューの本作で、“演じることの楽しさ”を実感。初々しくてしっかり者の13歳から目が離せない!
5月27日(月)から放送が始まるNHK夜ドラ「柚木さんちの四兄弟。」。編集部が注目するのは、三男「湊」のクラストメイト「霧島宇多」役を演じる...
【モトーラ世理奈:インタビュー】7/14(金)公開の映画『アイスクリームフィーバー』で魅惑の作家役を好演。新たに活動拠点をロンドンへ移し、さらなる未来図を期待させるモトーラ世理奈から目が離せない!
CULTURE
【モトーラ世理奈:インタビュー】7/14(金)公開の映画『アイスクリームフィーバー』で魅惑の作家役を好演。新たに活動拠点をロンドンへ移し、さらなる未来図を期待させるモトーラ世理奈から目が離せない!
ファッションモデル、女優として活躍するモトーラ世理奈が、7月14日(金)公開の映画『アイスクリームフィーバー』に出演する。本作は、アートディ...