映画界が注目する気鋭・奥山大史監督による長編映画『ぼくのお日さま』が9月13日(金)から全国公開。主演を飾ったのは、初主演映画となった越山敬達(こしやまけいたつ)さん、現在15歳。吃音を抱える少年「タクヤ」の丁寧な暮らしと、正直な生き方が繊細かつ美しく描かれている作品です。奥山監督に見染められたその演技が、作品をより上等なものに仕上げてくれています。第77回カンヌ国際映画祭で「ある視点」部⾨へ正式出品されたほか、第26回台北映画祭で「審査員特別賞」「観客賞」「台湾監督協会賞」の⽇本史上初となるトリプル受賞を果たした本作。話題作品で魅せた存在感で、今後、さらなる⾶躍が楽しみでしかない俳優・越⼭敬達さん。映画のこと、最近のプライべ―トについても話を聞いてみました。

Photo & Text:kukka編集部

撮影をしているときは、公開なんて先の先だなと思っていたんです。でも、あと少しで公開になるかと思うと、なんだか少し緊張します。

オーディションを受けて、選んでいただいて出演が決まりました。

これまで受けてきたオーディションの経験から、目の前にいる監督やスタッフの方の顔色で、良かったな悪かったな、が分かってしまうことが多いんです。でも今回のオーディションでは、監督の奥山さんの表情を伺っても顔色ひとつ変わっていなかったんです。いま監督に自分がどういう風に映っているんだろう、と思いながらオーディションを受けたことを覚えています(笑)

聞いたときには、単純に「すごい。やるじゃん自分!」と喜んで終わりました(笑)。その後で実感することになるのですが、「主演」がどういうことか、当時はあまりピンと来ていなかったと思います。

もともと僕の家族がウィンタースポーツが好きなんです。その流れもあって少しくらいならスケートも滑ることはできました。

はい、ものすごく練習しました。

がんばりました(笑)。もともとかなりスケートができた「さくら」役の中⻄希亜良さんに付いていくのがやっとでした。

もともと僕が下手だったので思いの外、大丈夫でした(笑)。昔、習いたての頃の感覚を思い出しながら、「そういえば、こんなことしていたな」と考えて演じていました。

この映画で一生分のスケートをしたと思っているので、それからは滑ってないです(笑)

はい、お腹いっぱいです(笑)

吃音があって、あまり冴えない男の子なんです。でも「タクヤ」は、一日一日を大切に過ごしている男の子なんだろうなと思っていました。

吃音についてはよく話しました。「吃音」と言っても一括りではなくて、重い症状のものから軽いものまであることや、場面場面でどの程度の吃音を表現すべきなのか、それについては常に監督から細かなアドバイスをいただきました。

演じているときは、1シーン1シーンごとに精一杯だったので、完成するときのことまでなかなか思い描けなかったんです。だから、できあがった作品を観た時には、こんな素敵な作品になっているんだと驚きでした。

はい、そうですね。友だちからは劇場へ観に行こうと誘われているんです。でも、同じ空間で自分が出ている作品を観るなんて照れくさいなと思っています(笑)

現場では常に明るくて、すべてのことを引っ張っていただきました。池松さんの言うことをしっかり聞いていれば、きっと大丈夫だといった安心感がものすごくありました。

はい、しっかり感じました。北海道へ行った初日に髪を切りに出かけたんです。昼間だったし晴れてもいたので、ダウンも持たずに行ったんですが、髪を切っていざ帰るときにはすっかり夜になっていて、もうそのときの寒さが本当にヤバかったです(笑)。北海道の厳しい寒さを思い知らされました。

はい、本当に自然に凍った池です。

作品全体を通して、登場する人物の気持ちが揺れ動く作品です。その気持ちが動く瞬間だったり、3人がこのとき、それぞれどう思っているんだろう、と常に思いを寄せながら観てもらえると嬉しいです。

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新年になると、今年は勉強をいっぱいして頭良くなろうと思うんですけど、なかなか思うようにできなくて……。いつになったら、勉強をがんばるんだろうと思っています(笑)

いや、「したい」と言うよりは「しなきゃいけない」と思っていると言った方が正確かもしれないです。思ってはいるんですけど、ぜんぜん体が動かないんです(笑)

感情を揺さぶられる作品ではありますが、同時にこの映画の見どころでもあるスケートシーンなどシンプルに楽しみながら観てもらいたいとも思っています。ぜひ、映画館に足を運んで観てください。


【映画情報】

2024年9月13日全国公開

映画『ぼくのお日さま』

第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部⾨正式出品
第26回台北映画祭「審査員特別賞」「観客賞」「台湾監督協会賞」受賞

吃⾳のあるアイスホッケーが苦⼿な少年。選⼿の夢を諦めたフィギュアスケートのコーチ。コーチに憧れるスケート少⼥。⽥舎街のスケートリンクで、3つの⼼がひとつになって、ほどけてゆく――。雪が降りはじめてから雪がとけるまでの、淡くて切ない⼩さな恋たちの物語。

<出演>
越⼭敬達、中⻄希亜良、池松壮亮、若葉⻯也、⼭⽥真歩、潤浩 ほか
監督・撮影・脚本・編集:奥⼭⼤史
主題歌:ハンバート ハンバート
© 2024「ぼくのお⽇さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS

公式HP:bokunoohisama.com
公式X:@bokuno_ohisama
公式Instagram @bokuno_ohisama


【プロフィール:越⼭敬達】

越⼭敬達(こしやま・けいたつ)。2009年4月21日生まれ。東京都出身。B型。167cm。趣味:スキー、スケート、水泳。特技:ダンス、けん玉(2段)、書道。スターダストプロダクション所属。
ドラマや映画で幼少期役の経験を多数積み、2023年にBS-TBS「天狗の台所」にてメインキャストのオン役を射止めた。2024年9月には初主演映画『ぼくのお日さま』が公開。同作は第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品されるなど注目を集める。俳優の他、EBiDAN NEXTでのアーティスト活動や「ニコ☆プチ」でメンズモデルを務めるなど幅広く活躍する15歳。

公式Instagram @keitatsu_koshiyama_official
公式サイト https://www.stardust.co.jp/talent/section3/koshiyamakeitatsu/

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