連続テレビ小説「おむすび」（NHK）の神戸編、主人公「米田結（橋本環奈）」の姉「米田歩（仲里依紗）」が神戸に住んでいた時の親友「渡辺真紀」役の大島美優さんへインタビュー。朝ドラ初出演を叶えた若干14歳の彼女は、雑誌『ちゃお』のモデルとしても活躍しながら、ドラマ「マイファミリー」でも話題をさらうなど、その演技の才能を開花させつつある注目の俳優です。少し話すだけでも受け取れる、隠しきれない理知的な話しぶりは好感度も抜群！ しっかり整理された自分の考えを持つ彼女から、朝ドラでの撮影エピソードはもちろん、好きな音楽や本などについて、たくさんその魅力の中身を紹介していきます。
Photo & Text：kukka編集部
朝ドラ初出演とのことですが、率直な気持ちを聞かせてください。
今までに何度か朝ドラのオーディションを受けたことはあったのですが、今回初めて選んでいただき本当に嬉しかったです。オーディションの時から、私はこの役(真紀)が大好きだったので、「真紀」役で出演できることも嬉しく思っています。
出演が決まって、ご家族にも報告されましたか。
母に直ぐ報告をして、とても喜んでくれました。
芸能界入りのきっかけを教えてください。
もともと「芝居」という意識すらない小さな頃から、一人でお芝居をしているような子でした。小学3年生の時、母から少女漫画雑誌『ちゃお』の専属モデル「ちゃおガール」のオーディションがあることを教えてもらったんです。ファイナリストの特典で、漫画家・まいた菜穂先生とお茶会ができることを知って！当時から大好きな先生なので、これはもう応募するしかない！と思って応募したのが直接のきっかけです（笑）。最終的に、準グランプリをいただいて、今の事務所に所属することになりました。
芸能の活動をしていて、同世代の子から街で声を掛けられたりしますか。
ドラマ「マイファミリー」に出演してからは、以前より声を掛けていただくことが多くなりました。同じ世代の子よりも、20代、30代、私の親世代の方々に声をかけてもらうことが多いですね。
「おむすび」への出演で、また多くの方に知ってもらえる機会になりそうですね。
気づいてもらえると嬉しいです！
朝ドラの撮影現場を経験した感想を聞かせてください。
出演される方はもちろん、スタッフのみなさんがとてもパワフルで明るくて、「現場で働くスタッフのみなさんが朝ドラに出演したらいいのに！」と思えるほど、すごくエネルギッシュで活気のある現場でした。私にとってはすごく刺激になり、現場に通うのがいつもとても楽しみでした。
撮影の合間に大阪観光はできましたか。
観光はあまりできなかったのですが、お好み焼きやたこ焼きを食べました♪たこ焼きが特に印象に残っていて、関東のたこ焼きと全然違って、食べた感じがすごくトロトロで、柔らかくて美味しかったです。
演じられた「渡辺真紀」について、どういった女の子として捉えていましたか。
明るくて優しいしっかり者で、夢や希望を持っているキラキラした女の子です。ただ明るく元気なだけではなく、大人びたところもあり、視野が広くて色々なことが見える子です。カッコ良さもありますし、私も「真紀」のようになりたいなと思います。
大島さんご自身と重なる部分は何かありますか。
近いところもあると思います。明るいところとか、好きなものに対する熱量とか、夢への気持ちは私も強い方なので、「真紀」と似ていると思います。違うのは「真紀」の方が大人びていて、しっかりしているところかも知れません。
大島さんもまだ中学生とは思えないほど、大人っぽくしっかりされている印象です（笑）
ありがとうございます（笑）。
「真紀」がギャルになるシーンもあるそうですね。ギャルになった感想はいかがですか。
別人みたいだなと思いました。髪もメイクも服装も、これまでの「真紀」とは全然違っていたので。初めて鏡を見た時は、映っている自分を見て「誰だろう？」と思いました（笑）。当時、こういった格好のギャルの方々が街にいたのかと思うと、今のギャルとも全然違うので面白いなと思いました。
当時のギャルの格好をしてみて、特に何が印象的でしたか。
基本的に全部のインパクトが強かったのですが、特に付け爪が長くてカラフルですごかったです。付け爪をつけて思ったのは、この長さで生活するのはなかなか大変だなと思いました（笑）。でもいつもこの爪の長さにしているギャルの方も現場にいたので「小銭とかってどうやって取るんでしょうか？」と聞いてみました。また違う文化に触れることができて楽しかったです。
同じ事務所の先輩でもある仲里依紗さんとは、現場でお会いできましたか。
今回初めてお会いしたのですが、二人ともギャルの格好で一緒に写真も撮らせていただきました（笑）。
役の上では、同級生ですしね（笑）。仲さんの印象を聞かせてください。
仲さんの出演されている作品やYouTubeを楽しく観させていただいているので、お会いできるのを楽しみにしていました。気さくに色々話しかけてくださって嬉しかったです！
監督から何かアドバイスはあったのでしょうか。
「真紀」のキラキラした感情や未来への期待や憧れの気持ちを大事に演じてほしい、と言っていただきました。
その要望にはうまく応えられましたか。
私の中にもそういった感情はあるので、自分の中にあるものを引っ張り出してくるような気持ちで、「真紀」に自分の感情を当てはめて演じました。
「真紀」役は神戸ことばを使う役柄でもありますよね。方言を使ってのお芝居は初めてでしょうか。
初めてです。方言指導の先生から音声テープを送っていただいて、それを聴いて覚えるという練習方法でした。難しいなと思うところもありましたが、意外と耳で聴いたイントネーションをそのまま声に出すことができたんです。音程や抑揚が関東の言葉とは違うのですが、ある意味「音楽」を聴くような感じで練習できたので楽しかったです。
「音楽」みたいな感覚で方言を練習できたのは、すごく新鮮な考えですね。これからも色々な方言にも挑戦してほしいですね。
はい、やってみたいです。
「真紀」役のここをぜひ注目してもらいたいポイントを教えてください。
歩ちゃんの部屋で歩ちゃんと真紀が将来の夢について話すシーンがあるんです。そのシーンは特に歩と真紀のキラキラした未来を楽しみにする気持ちが表れていると思うので、ぜひ注目してほしいです。
朝ドラのタイトル「おむすび」にちなんで、大島さんの好きな「おむすびの具」を教えてください。
一番は「梅」です！ 次は「こんぶ」で3番目は「おかか」です。
1４歳の女の子にしては、随分とシブいチョイスですね（笑）
小さい頃は圧倒的に「ツナマヨ」派だったんです。でもだんだん「梅」が好きになって、いろいろ食べてみると「こんぶ」も「おかか」も美味しい！って思うようになりました（笑）。
朝ドラ初出演を経て、今後はどういった役に挑戦してみたいですか。また、なりたい女優像もありましたら教えてください。
今度は、大河ドラマや時代劇で今よりもっと前の時代の役に挑戦してみたいです。
女優像については、ドラマでは放送が終わってしまうと、例えば「真紀」の物語を届けることはできないですよね。「真紀」の役を演じて今回もまた思ったことなのですが、観ているみなさんの心の中で、その役が生き続けられるようなお芝居ができる俳優になりたいです。
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大島さんのプライベートについても聞かせてください。1年半ほど前に「kukka」でアンケート取材をさせて頂いた際、「英語を話せるようになりたい」とのコメントを頂きました。現在も変わらず勉強をがんばられていますでしょうか。
今は中学3年生で受験生なので、学校が終わってからも勉強ばかりしていますね。今は英語だけでなく、全科目頑張って勉強しています。英会話というよりも文法中心の受験英語に寄ってしまっているところはありますね。
受験生ですもんね。体に気を付けてがんばってください。
ありがとうございます。
何の科目が勉強していて楽しいですか。
授業を受けていて楽しいのは「社会」なのですが、なぜか一番テストの点数が低くて（笑）。反対に、そこまで好きではないのに一番点数が取れるのが「国語」なんです。
大島さんの好きなもの、推しについても聞かせてください。
私の趣味が、本を読むこと、映画を観ること、音楽を聴くことの３つなんです。音楽では、特に「BUMP OF CHICKEN」さんが大好きなんです。先日、ライブにも行って、とても幸せな気分になれました。9月に新しいアルバム「Iris」が発売になったのですが、そのアルバムはすでにリリースされた曲を中心に収録したものなんです。でも「曲順」が大切で、この並び順になることによって、アルバムが物語になったり、それぞれの曲もまた違った捉え方ができるので、本当に「BUMP OF CHICKEN」の音楽は素敵で最高だなと思っています。
「BUMP OF CHICKEN」を好きになったきっかけは何かあったのでしょうか。
もともと母が好きで、家や車で曲がかかっていたのを聴いてはいました。でも直接母から勧められたことはなかったのですが、ある日、車で彼らの「宝石になった日」という曲を聴いていた時、歌詞がスッと私の中に入って来たんです！「この歌詞、めちゃくちゃ良くない！？」と。そこからは自分で調べたり、母におすすめの曲を尋ねたりして、ますます好きになって、今では母と「BUMP OF CHICKEN」の魅力を語り合えるくらいになりました♪
歌詞に込められた意味が分かる年齢になったのかも知れませんね。
それまでは、なんとなくしか耳で聴いてこなかったのですが、急に歌詞が聴こえるようになって、「BUMP OF CHICKEN」の良さがすごく分かるようになりました。
本を読むことも趣味とのことですが、どんな本を読んでいますか。
人間ドラマを感じられる本が好きで、作家で言うと、森絵都さんや辻村深月さんの作品を読むことが多いですね。
では、大島さんがおすすめする３冊を教えてください。
辻村深月さんの『スロウハイツの神様』という作品に「赤羽環（あかばね・たまき）」というキャラクターが出てくるんです。彼女のことが大好きなので、この本はおすすめしたいです。森絵都さんだったら好きになるきっかけをくれた『つきのふね』と、あとは梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』です。登場するおばあちゃんのセリフに「一番大切なことは自分で決めること」とあるのですが、その言葉は今でも大切にしている言葉です。
大島さんのマイルールを教えてください。
「食事と睡眠と運動の３つをとにかく大事にする」です。調子が良くない時に、食事も睡眠も運動もしないと、ますます悪い方向に進んでしまう気がするんです。今がどんなに沈んだ状態でも、その３つを続けてさえいれば良い方向に向かうように思えるので、自分のなかで大事にしています。「BUMP OF CHICKEN」の『HAPPY』という曲の歌詞にも、「なんか食おうぜ そんで行こうぜ」とあるので。
めちゃくちゃ格好良い男のセリフですね（笑）
ですよね（笑）。「BUMP OF CHICKEN」も言っているので、食事と睡眠と運動をこれからも大事にしていきたいです♪
では、元気が出るような好きな食べ物を教えてください。
好きな食べ物がいっぱいあるのですが、1つ挙げるなら「トマト」です。そのまま食べるのも、カプレーゼとかにして食べるのも好きです。あとはイチゴとか果物も好き。スイーツもハンバーグも、好きな食べ物はいっぱいあります。
これからやってみたいと思っていることがあれば教えてください。
ギターを弾けるようになりたいです。中学2年生の終わりからやってみたのですが、受験生になってからはなかなか弾けていなくて。途中で中断したままになっているので、受験勉強が終わったら練習をして、一曲弾けるくらいになりたいですね。
「BUMP OF CHICKEN」の曲、弾けるようになると良いですね。
それでは最後に、朝ドラ出演を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。
「おむすび」は“ギャルマインド”な元気でパワフルな面がある一方、震災のことなど、明るいだけではないこともしっかりと描かれている作品です。朝から元気をもらいつつ、いろいろなことを考えながら観ていただけると嬉しいです。
【出演情報】
NHK連続テレビ小説 「おむすび」
総合：毎週月曜～土曜 8:00～8:15 ※土曜は一週間の振り返り
NHK BS・プレミアム4K：毎週月曜～金曜 7:30～7:45
＜出演＞
橋本環奈（米田結）
仲里依紗（米田歩）
佐野勇斗（四ツ木翔也）
麻生久美子（米田愛子）
宮崎美子（米田佳代）
北村有起哉（米田聖人）
松平健（米田永吉）
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大島美優（渡辺真紀）
作：根本ノンジ
語り：リリー・フランキー
主題歌：「イルミネーション」B’ｚ
音楽：堤博明
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【プロフィール：大島美優】
大島美優（おおしま・みゆ）2009年11月19日生まれ。埼玉県出身。156cm。趣味：読書、映画鑑賞。所属：アミューズ。
2018年「ちゃおガール2018☆オーディション」で準グランプリを受賞し、芸能界入り。主な出演作として、TBS系日曜劇場「マイファミリー」鳴沢友果役、WOWOW 連続ドラマW「雨に消えた向日葵」石岡葵役、TBS系火曜ドラマ「ファイトソング」幼少期・萩原凛役など。CM出演では、味の素「クノール カップスープ」、HOYA「アイシティ ecoプロジェクト」ショートムービー、明電舎「電気よ、動詞になれ。」《走らせろ。》篇などに出演。NHK 2024年度後期 連続テレビ小説「おむすび」では、主人公の姉・米田歩の幼少期（高松咲希）の友人・渡辺真紀役を演じる。
▶公式Instagram：@miyu_oshima.official
▶公式サイト
